わたらせ渓谷鉄道(群馬県大間々町、松島茂社長)は19日、主に小中学生を対象にした
「英会話列車」を運行する。群馬大学の外国人留学生や沿線に住むALT(外国語指導助手)
らが無償で協力し、車内で英会話を楽しんでもらう。イベント列車の充実で、通勤・通学以外
の利用増につなげる考え。
列車は通常の車両を使用し、桐生駅を午前9時台に出発する。途中駅からの参加も可能。
約10人ずつのグループに分かれて、あいさつや自己紹介を中心にした会話教室やピザ
パーティーを開く。足尾駅まで往復した後、桐生駅に午後2時すぎに戻る。
同鉄道は昨年12月に「料理列車」の運行を開始するなど、企画を相次いで打ち出して
いる。英会話列車の募集定員は60人。乗車区間の普通運賃に加え、参加費500円が必要。
■ソース(日経新聞)
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20060307c3b0704207.html わたらせ渓谷鉄道:今年度決算、1000万円の赤字に フリーパス販売不振 /群馬
経営再建の切り札として導入した1枚1万円の年間フリーパスで開業以来続く赤字経営から3年がかり
で脱却することを目指している「わたらせ渓谷鉄道」(わ鉄、松島茂社長)の今年度決算が、約1000
万円の赤字になることがほぼ確定した。1億8000万円に上る多額の運転資金を投入したり、料理列車
「深山冬の味」号が好評なものの、フリーパスの販売枚数が目標(2万2000枚)の約12%の2710
枚(1月末現在)と振るわないのが最大要因。基金も枯渇しており、このままでは廃線が一層現実味を帯
びてくる。
04年度に、群馬、栃木両県と、沿線自治体がほぼ折半する形で総額1億2000万円を今年度の経営
原資として拠出することを決定。さらにフリーパスの販売不振で、昨年秋には第2基金からも6000万
円を取り崩すことを決めていた。わ鉄は今月末までにフリーパスをさらに約800枚販売し、人件費など
を最大4000万円削る方針。それでも、約1000万円が赤字となる見通しになった。
新年度の支援金は4000万円で、07年度はゼロ。残る第2基金も4億2000万円(今月末時点)し
かない。「万が一の会社解散の場合でも費用はかかり、赤字だからといって(第2基金を)簡単に取り崩せ
るものではない」(関係者)といい、会社存続には劇的な増収策を見つけるしか方法はないという。
同社は開業以来、群馬県から社長や経営幹部を迎えてきたが、昨年6月には県からの社長らが退陣した。
その後、東村村議の松島茂氏(54)が、一部関係者に請われる形で社長に就任。さらに、同じく第三セク
ターの「明知鉄道」(本社・岐阜県恵那市)の再建で手腕を振るったとされる松井幸男氏(68)が専務に
就任した。
両氏らは、周辺自治体の地区集会や地元企業などに足を運び「再建の可否は沿線住民の熱意に左右される。
ぜひフリーパスの購入・利用を」などと訴えてきたが、住民の反応は今一つだ。
こうした事態について「2015年の公共交通を考える会」(桐生市)の佐羽宏之代表は「(再建の)仕組
みが決まった段階で、首長間のコンセンサスがなかった。再建の最大のポイントは、わ鉄に限らないことだ
が、周辺住民の公共交通への理解と関心だ」と語る。
今後は「株主自治体などで組織する『わたらせ渓谷鉄道増収対策等検討委員会』が今月末まで集中協議を重
ね、今後の打開策を打ち出したい」(新井厚生・わ鉄総務部長)としている。今のところ、利用期間が短いな
ど、さらに単価の安い新種のパスの発行などが検討されている。(毎日新聞)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060308-00000116-mailo-l10