“ブリブリサンバ ブリンスサンバ お魚サンバ 踊ろう”。氷見市役所の担当課に直接電話をかけると、保留の間や
別の課に回される間、リズム感のある曲が流れ、氷見特産のブリを売り込む。いくつかの町村がPRのため保留音
に独自性を出してきたが、県内で残るのは氷見市だけ。相次ぐ合併で電話機に備わった機械的な保留音などに変更
されている。
氷見市が採用したのは00年ごろ。市のイメージソングとして氷見青年会議所が発案、旧小杉町のシンガー・ソン
グライター伊藤敏博さんがボランティアで作詞作曲した。
テンポがよく、明るい感じの曲。市民からは「気分が落ち着く」との感想の一方、「(苦情を言おうとしている時に)
『ブリブリ』と言われて、少しイライラする」などの声も寄せられるという。
現在庁舎内の電話改修工事中だが、保留音は今後も継続される予定だ。
氷見市以外では、旧小杉町は「町民の歌」。射水市小杉庁舎によると、住民に町への親しみを持ってもらい、歌の
普及も兼ねていたが、昨年秋の合併でなくなった。
旧平村は地元に伝わる民謡「こきりこ節」、旧上平村も民謡「といちんさ節」を保留音に使っていた。しかし一昨年の
合併で電話機が統一されたことなどから、機械的な音に。
南砺市平行政センターによると、旧平村でこきりこ節が採用されたのは15〜20年前。企業がコマーシャルのため
独自の保留音を流しているのを聞きつけた旧村職員が、観光PRに利用できないかと発案した。旧村の小学校の
音楽教諭がシンセサイザーで演奏。保留音に取り込んだ。
観光客からは「民謡が気に入り、ますます観光したくなった」と評判が良く、村を紹介するきっかけにもなっていたと
いう。職員の一人は「電話をかけてくる人も、寂しいという思いがあるかも。少し残念です」と話していた。
asahi.com:マイタウン富山
http://mytown.asahi.com/toyama/news.php?k_id=17000000602100005