■今夏から順次リニューアル/一人当たり最大12万円
【ロサンゼルス=岡田敏一】米カリフォルニア州アナハイムにある大型テーマパーク「カリフォルニア ディズニーランド
・リゾート」が、従業員(計約一万四千人)に肥満が増えていることなどを受け、制服のリニューアルを決めた。早ければ
今夏から順次、導入する。
同テーマパークの制服リニューアルは珍しくないが、肥満の増加が理由というのは初めて。米国の“肥満大国”ぶり
を象徴する出来事といえそうだ。
ロサンゼルス・タイムズ紙によると、約二十年前だと従業員の制服は普通のサイズで対応可能だった。しかし現在の
制服は、女性用なら最大が三十号、男性用のズボンならウエストが五十八インチ(一・四七メートル)という巨大なもの
まで用意しなければならない状況。
そのため、アトラクション(遊戯施設)の機械の操作係やお土産店の店員、ウエートレス、女性ツアー・ガイドらの制服
のサイズを全体的に肥満の従業員に合わせることにした。肥満は米国人の中年従業員に多いという。
制服のリニューアルには一人当たり最大で約千ドル(約十一万八千円)もかかるなど、膨大なコストがかかるが、
米国では、航空会社の客室乗務員が体重制限を不服として訴訟を起こすケースが目立つ。肥満を理由にした配置
転換などは確実に訴訟の対象となる。同リゾートもこうした訴訟を恐れて“制服の肥満シフト”を進めるようだ。
同リゾートでは従業員に対し、健康的な体形を維持するため、肥満なら仕事を休んで医師の検診を受けられる制度
を設けているが、この制度は従業員に人気がなく、ほとんど利用されていないのが実情だ。
リニューアルでは紫外線対策や、増加するアジア系従業員のために小さめの制服も充実する。
ビジネスアイの取材に対し「リニューアルは肥満の従業員のためだけではない」と話すが、肥満が大きな原因である
のは明らかなようだ。
FujiSankei Business i. (2006/2/11)
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200602110034a.nwc