夏の高水温ホヤなど大量発生 養殖業者ら「死活問題」
小浜湾で養殖されている若狭地方の特産・カキが不漁に悩まされている。夏場の海水温が高かったほか、大量に
発生したフジツボやホヤがカキの殻に着いて栄養分を奪い、成育を遅らせたり、死滅させたりしたのが主な原因と
いい、養殖業者は「死活問題」と頭を抱えている。
小浜市内の約30の業者が養殖。11月から3月が出荷時期で、水温が低い同湾内で育ったカキは、やや小ぶり
だが身が締まり「若狭カキ」として人気が高い。
しかし、今シーズンは成長期の8月の平均水温が28・2度と、平年より1・5度高かった影響などで、フジツボや
ホヤがカキの殻にびっしりと着いたのが目立った。カキの餌となる植物プランクトンを奪うなどしたため、例年なら
十数センチまでになる身も半分程度までしか、大きくならないなど成育が悪く、死んでしまうケースも多かったという。
同市仏谷の養殖業者でつくる漁家組合の大住徳博組合長(48)方では、昨シーズン約4トンだった出荷量が
約1割にまで落ち込む見込みなど、大半の業者が苦戦。大住組合長は「味覚に問題はないが、不漁のため客の
注文を断っている」と肩を落としている。
広島県立水産海洋技術センターの赤繁悟・カキ研究部長(51)は「フジツボもホヤも水深を変えたり、養殖場所
を変えたりすることで、付着数を減らすことができるケースはあるが、試行錯誤するしかないのが現状」と話している。
(2006年2月9日 読売新聞)
福井 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news001.htm 翌日には見れなくなります。