厚生労働省は、保育士や看護師資格を持つ人が3歳未満の乳幼児を預かる「保育ママ」制度に
ついて、4月以降要件を緩和する。いまは保育ママが自宅以外で子供の面倒をみることを認めて
いないが、今後は複数の保育ママが賃貸物件で「ミニ保育所」的な運営をすることも認める。
保育所の待機児童数は約2万3000人(05年4月現在)と横ばい状態で、同省は保育ママの
活用が広がれば、待機児童解消にも役立つとみている。
保育ママは、1人で乳幼児3人までしか預かることができないため、家庭的な雰囲気での託児
ができる。風邪などの集団感染の可能性も低い。それでも実施しているのは14都府県の
約1000カ所で、利用者も定員3134人に対し、1785人。東京都が約7割を占め、地域差
が大きい。
普及が進まない背景には、自宅という密室での保育や情報の少なさから、保護者が不安を感じて
いる点がある。東京都世田谷区で昨年、保育ママによる乳児への傷害事件が発生したこともあり、
透明性の確保や安心感を高めることが課題となっていた。
保育ママは市町村が保育士らに委託をしているが、今回の要件緩和で、保育所が直接雇用できる
ようになる。保育ママが看護師、保健師、助産師の資格を持っていれば、病後の乳幼児の保育も可能
とする。
少子化対策の充実で出生率を上昇させたフランスでは、3歳未満児の約2割に当たる約50万人が
認定保育ママの保育サービスを受けている。厚労省は、特に待機児童の多い都市部で保育ママの活用
を促し、待機児童の減少につなげたい考えだ。
■ソース(毎日新聞)【坂口佳代】
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/news/20060121k0000e010065000c.html