酸っぱい物を食べても甘く感じさせる不思議な果物「ミラクルフルーツ」をタブレット(錠剤)化する
技術を、愛知県知多市の味覚修飾植物研究家、島村光治さん(31)が台湾の園芸企業と
共同で開発し、15日から販売を始めた。「糖分が制限されている糖尿病患者などに生かしてほ
しい」と話している。
ミラクルフルーツは、西アフリカ原産の1〜2センチの木の実。この実自体に味はないが、口の中で
転がした後、レモンや酢など酸味のある物を食べると強い甘さを感じる。成分の「ミラクリン」が酸味と
反応して、舌先の甘みを感じる器官を刺激するためで、効果は30〜60分持続するという。安全
性に問題ないとして、国の添加物認可を96年に受けている(現在は、対象製品がないとして削除
された)。
島村さんは、ミラクルフルーツの人工栽培技術を確立した第一人者。実を3〜4カ月間食べ続け
ることで、生活習慣病患者の血糖値が正常に戻る効果を、名古屋市内の医師との共同研究で
確認したこともある。実は傷みやすく、普及にはネックで、数年前から台湾の企業と錠剤化の研究を
進めてきた。錠剤は、直径約1センチ。収穫した実から種を取り、氷点下20度以下で乾燥、
粉砕して作るといい、台湾で製造し大阪府の業者が輸入販売する。
薬ではなく、薬効はうたっていないが、「体が欲する甘みを我慢しなくて済み、無理せずに糖分摂取
が減らせるはず」と島村さんは説明。「日本味と匂(におい)学会」会長の山本隆・大阪大教授
(味覚生理学)は「保存が難しかった実の成分を長持ちさせる製品化は画期的。手軽に活用する
道が開けた」と話している。
10粒入りで税込み3990円。問い合わせは島村さんのホームページ(http://shima.npo.gr.jp)。【山田大輔】
毎日新聞 2006年1月16日 15時00分
ソース
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060116k0000e040066000c.html