◇北京の春節は爆発だ!爆竹遊びが正式“復活”
北京の春節(旧正月)に爆竹の大音響が戻ってくる。北京市当局が、
1994年から禁止していた市中心部での爆竹遊びを認めたのだ。
今年の春節は今月29日。首都の年越しは、久々に、にぎやかなものになりそうだ。
「復活はうれしいよ。みんなの願いだったからね。子供のころの春節といえば、
爆竹や花火で空が真っ赤に染まり、街中がものすごい音に包まれたものさ」
古い北京の街並み・胡同(フートン)が残り、観光客でにぎわう鼓楼の近く。
軽食店を営む松広貴さん(45)はうれしそうに言って、こう続けた。
「実は去年の年越しの時だって、店の前でこっそり
やったんだけどね。今年は堂々と出来る」
中国では、昔から、めでたい日に爆竹は欠かせないとされてきた。
特に、中国人たちが最も大事にしている旧暦大みそか(今年は28日)から
春節にかけての年越しの時だ。
観光客向けの人力車を引く任正賢さん(36)は、さすがに「古きよき北京」の
伝統に詳しい。春節の爆竹のいわれについて説明してくれた。
「伝説では、昔、年という名のどう猛な怪物がいて、除夜に姿を現しては人々を
襲っていたけど、住民が竹の中に火を放ち、破裂させて退散させたんだ。
それが爆竹の始まりさ」
一年の厄を払う意味があり、庶民にとって、なくてはならない行事なのだという。
にもかかわらず、北京市は禁令を出した。理由は、「危険。環境も汚染する」。
その後、約300都市が追随した。春節の風情を消す禁令が出た当時、
多くの中国人は、直感的に政治のにおいをかぎとっていた。
「禁令は、危ないからじゃないよ。共産党は大勢が街に出て騒ぐのが怖いのさ」――
89年の天安門事件や、ソ連・東欧崩壊の記憶が生々しい時代だったのだ。
もっとも、根っからの爆竹好きの中国人もしぶとい。違反の罰金は
100〜500元(1元は約15円)だが、見つかっても注意や没収に
とどまることが多いと見るや、隠れて鳴らした。禁止後の年越しの夜も、
どこからか聞こえてくる爆竹の音は絶えなかった。
ちなみに、昨年の春節休暇中にも、違法販売者を含め、北京で961人が摘発され、
350件以上の火事、ぼやが発生し、550人以上がけがをしている。禁止期間で
これだから、当局が「危険」と言ったのにも道理はあった。
(続きます)
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20060114i512.htm ▽爆竹を模したものなど春節飾りも様々。スーパーの特設売り場で品定めする北京市民
http://www.yomiuri.co.jp/zoom/MM20060114232917232M0.htm