仙台市は8日までに、2006年度の一般会計当初予算編成で、市債管理基金から50億円程度を借り入れる方針を
固めた。財政運営の「禁じ手」とされるが、深刻な財源不足を補うため、05年度当初に続いて借り入れを余儀なくされた。
財政調整目的の基金も再びほぼ全額を取り崩す。
市債管理基金は、市が借金を10年後に返済するための資金。条例上は一時的に歳入対策にも流用できるが、
市は「麻薬に手を染めるようなもの」(財政局)と、流用には慎重だった。
05年度当初、初めて基金から30億6000万円を借り入れたが、地方交付税収入が予想額を上回り、
年度途中で借り入れを中止した。06年3月末の残高は623億円が見込まれる。
06年度当初予算編成でも、固定資産税が3年に一度の評価替えを迎え、40億―50億円の減収が見込まれるなど
財源不足が著しく、再び基金からの一時借り入れに踏み切る。
一方、貯蓄に当たる財政調整基金と都市整備基金は、05年度当初に現金保有分のほぼ全額を取り崩し、
残高は27億円に落ち込んだ。途中で執行をやめる不用額の発生などで、06年3月末に約120億円までは
回復するとみられる。
06年度は、再び両基金をほぼ全額取り崩し、財源不足を補う。年度途中に残高が回復するとはいえ、
積立額の減少は避けられない格好。
市は予算編成に際し、05年度比平均7%減のシーリング(概算要求基準)を設定。財源創出のため、
優れた提案には予算配分額を上乗せする新方式も導入した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060109-00000016-khk-toh