◇小中学校の特殊学級、改称し存続 学校教育法改正案
文部科学省が今月召集の通常国会に提出する学校教育法改正案の
骨格がわかった。存廃が論議になってきた小中学校の特殊学級は、
存続を保護者らが望んでいることに配慮し、07年度をめどに
「特別支援学級」と名称を変えて残す。盲・ろう・養護学校は複数の
障害に対応する「特別支援学校」に改める。また法改正と併せて文科省は
省令を改正し、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの
子供についても適切な指導が受けられる仕組みづくりをめざす。
この法改正により、47年の同法制定以来60年近く使われてきた
「特殊教育」の用語は法令から姿を消す。今後は障害のある子供の
自立や社会参加への取り組みを支える「特別支援教育」に名実ともに転換する。
一般に特殊学級には養護学校などよりも障害が軽い子供たちが在籍しているが、
重い障害がある子供も中にはいる。そうした子供にとっては学ぶ場を固定して
指導を受けた方がいいとして、特殊学級の存続を望む声があり、
中央教育審議会などで存廃をめぐり論議になっていた。
こうした経緯を踏まえて文科省は今回の法改正にあたり、固定式の学級を
廃止することは見送り、「特別支援学級」に名称を改めて存続させることにした。
また、LD、ADHDなどの子供は全児童生徒の約6%(約68万人)に上るとされるのに、
現在は特殊学級や「通級指導教室」の指導対象にはなっていない。通級指導教室は
通常の学級でふだんは授業を受け、特定の教科など必要に応じて別の教室で特別の
指導を受ける仕組み。情緒障害や言語障害のある子供らが対象になっている。
このため文科省はLD、ADHDなどの子供についても、適切な指導を
受けることができる仕組みを整える必要があると判断。省令を改正して
通級指導教室の対象を広げ、LD、ADHDなどの子供たちも
今年4月から対象に含める。
盲・ろう・養護学校は名称を「特別支援学校」に変えたうえ、
複数の障害に対応する態勢を整える。例えば現在の養護学校に
視覚障害児を受け入れるための学級を設置したりする見通しだ。
文科省の調査研究協力者会議は03年3月、子供の障害の種類や程度が
多様化しているとして、ふだんは通常の学級に在籍して必要な時間だけ別の場で
教育を受ける「特別支援教室」の創設を提言していた。
ソース(朝日新聞)
http://www.asahi.com/life/update/0108/002.html