行政院農業委員会(以下、農委会)が主催する「2005年全国冬季優良茶コンテスト」の授賞式とオークションが
1月4日開催され、台湾ナンバー1に選ばれた茶葉が高値で競り落とされた。謝長廷・行政院長はこの席で、
お茶が台湾の重要な輸出農産品目の一つとなっていることを強調するとともに「安全で高品質なイメージを
確立し、台湾茶を世界のトップブランドに成長させよう」と呼びかけた。
農委会は優良な台湾茶の生産と流通を促すため、2年前から春茶を対象に全国規模のコンテストを開催している。
2005年5月の「第2回全国優良茶コンテスト」が成功をおさめ、高く評価されたことを受けて、今回初めて冬茶を
対象としたコンテストが開催された。
コンテストは「條型包種茶」(揉捻が浅く細長い形状の低発酵の烏龍茶)、「熟香型烏龍茶」(揉捻が深く発酵度が
高い烏龍茶)、「清香型烏龍茶」(揉捻が深く発酵度が低い烏龍茶)の3つの部門で行われた。審査は、まず全国の
茶産地の自治体が茶農家から出品された茶葉の中から優良茶葉91品を選び、昨年12月23日に行われた第一次
審査において、この中から46品を選出。さらに、同28日の最終審査において、各部門のトップ3が選ばれた。
茶葉の審査は外観、茶湯の色、味について行われ、王翰揚、黄蒼典、利展豊の各氏がそれぞれの部門で栄えある
ナンバー1に輝いた。
謝院長は授賞式の席で、2005年台湾茶の輸出量が2000トン以上に伸び、輸出高が5億元(約15億円)以上と
なったこと、また通信販売や観光客の購入による台湾茶の販売額が前年の4倍を上回る20億元(約60億円)に
達したことを指摘し、お茶が台湾の重要な輸出農産品目の一つとなっていることを強調した。そのうえで謝院長は
「『安全な農業』を中心理念に据え、台湾の茶産業が既存の基礎のうえに生産、加工、販売の各段階において
衛生と安全を重視し、より多様な茶を開発するとともに、安全で高品質なイメージを確立し、国内外の市場を開拓
して世界のトップブランドに成長させよう」と呼びかけた。
一方、台湾茶が世界的に名を知られるようになった反面、「阿里山茶」や「南投鹿谷茶」など、台湾の有名な
茶産地を商品名にした中国製の贋物が市場に多く出回っている。謝院長は「中国の海南島や広東、桂州などで
台湾茶の模倣品が見られるが、目先の利益に惑わされ、大切な茶の苗や技術を売ることがあってはならない。
これは台湾の国家全体の長期的な利益にも影響する」と述べ、茶農家に団結を呼びかけるとともに、優良な茶葉に
ついてはすみやかに商標登記をすませるよう促した。謝院長はさらに、農委会や大陸委員会に対し、模倣品問題に
ついて中国側に抗議し、法的な措置を通じて農民の権益を保護するよう指示したことを明らかにした。
また、この日行われたオークションでは、ナンバー1に輝いた3種類のお茶がそれぞれ過去最高の価格で競り
落とされた。オークションの結果、條型包種茶は1斤(約600g)136万元(約400万円)、熟香型烏龍茶は
同130万元(約390万円)、清香型烏龍茶は同180万元(約540万円)の値がつき、会場は茶農業組合や
大手茶業製造販売メーカーらの競り合う声で熱気に包まれた。
■ソース(台湾週報)
http://www.roc-taiwan.or.jp/news/week/06/060106b.htm