◇むきやすいミカン・丸かじりブドウ…各地で開発
皮がむきやすいミカンや切り口が変色しないリンゴなど、
おいしさとは別の価値を持った“便利な農産物”が
各地で開発されている。
農林水産省は、こうした流れを促進しようと、来年度から、
切っても崩れないサンドイッチ用トマトや、冷めても硬くならない
米などの新品種の開発に本腰を入れる。
JA全農えひめが今月下旬から東京などで売り出すのは新種ミカン
「まりひめ」。直径8センチとオレンジ並みの大きさがあるのに、
温州ミカンのように簡単に手で皮がむけるのが特徴だ。
愛媛は「伊予かん」が有名だが、皮が硬くてむきにくいため、
消費者に敬遠されがちだ。現在の出荷量は全盛期の半分に
落ち込んでいる。北アフリカ原産の柑橘(かんきつ)類
「クレメンチン」と地元のミカン「南柑20号」を掛け合わせた
「まりひめ」に大きな期待をかける。
岡山県や長野県では、「皮や種を取るのが面倒」との声を受けて、
皮が薄く、丸ごと食べられる種なしの高級ブドウが売り出されて好評だ。
青森県は、時間が経過しても切り口が茶色く変色しないリンゴを開発、
スーパーなどで生食加工用の商品として売りだしたい考えだ。
こうした状況を受け農水省は、新年度から5億円の予算を投入し、
外食や弁当などの中食向けの「便利な食材」の開発に力を入れる。
具体的には、トマトやコメのほか、臭みのない豆乳用の大豆、
千切りにしてもシャキシャキ感が失われないキャベツなどの
新品種の開発を目指す。低コストの栽培法も研究する。
同省地域研究課は「おいしさや健康面だけでなく、
新しい価値観をアピールして、国産農産物の消費を
増やしていきたい」と話している。
ソース(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20060104it14.htm