2003年初めK大学を卒業したチェさん(27)は、2年以上職探しに失敗したショックでうつ病と顔面けいれんに
悩まされ、今も通院治療を続けている。
チェさんは、卒業後最初の1年間かけて行政国家試験に備えていたが、1次試験で落ち、その次に大手
企業に挑戦したが、これも落ちてしまった。今年に入っては、中堅企業・中小企業に願書を出したものの
「名門大出身者はすぐに辞めるから」とにべもなかった。
99年にY大学に入学し、今は休学中のキムさん(27)は今年初め、ワーキングホリデー(外国でアルバイトを
しながら外国語を習うプログラム)制度で日本に渡った。
キムさんは2003年に軍隊を除隊し復学した。しかし、就職競争で成績や外国語の面で後輩らにかなわない
ことがわかり「日本語でも習おう」と後先考えず日本に渡ったのだ。キムさんもやはり名門大学を出ているが、
未だ「就職浪人」から抜け出せないでいる。
◆ 韓国20代後半男性は「失業中」
就職盛りの20代後半男性が青年失業と女性優位現象という二重苦に悩まされている。各企業の新規採用
減で雇用が減っている中、数少ない企業公式採用では女性志願者の躍進が目立っているからだ。
就職に不安を覚える20代男性は、卒業を遅らせ大学院に進むなど学校に残ったり、安定した雇用が保証
される国家試験・公務員試験に備えるなど、事実上就職活動を中断している。ソウルなど大都市の資格試験
予備校には、20代後半の男性であふれている。
26日統計庁の発表によると、20代後半(25〜29歳)男性の非経済活動人口は、11月に40万4000人と過去
初めて40万人を突破した。
また、20代後半男性の経済活動参加率も79.1%と初めて80%を割り込んだ。非経済活動人口とは、ここ
4週間就職活動を行っていない人のこと。20代後半男性の非経済活動人口は、昨年11月の35万人から
1年の間に15.4%も急増している。
一方、20代後半女性の非経済活動人口は、11月に61万3000人と前年比7.4%減となった。経済活動参加率も
67.5%と前年比3%ポイント高くなっている。
職探しに成功した20代後半男性の一部には、雇用不安のないより安定した職を求め、自ら職場を去る
ケースもある。
地方大学の工学部を卒業し、某研究所に務めていたKさん(26)は、昨年初め辞表を出し、中央(チュンアン)
大学教育大学院に進学した。2年半コースの教育大学院を卒業すると、2級の正教師資格が出て教員採用
試験に受けられるからだ。
Kさんは「地方大出身で肩身の狭い思いをしながら職場生活を続けるより、中学・高校の教師になり、
リストラの心配なく生きていきたい」と語った。
中央大学教育大学院のイ・ジョンギュ行政室長は「10月に来年1学期の新入生158人を選抜するのに1200人
余りが集まり、倍率は8倍に上った」とし、「女子学生一色だった教育大学院に20代後半男子の志願率が
増えているのは、どの学校にも見られる共通した現象」と話した。
◆ 国家的な人材の浪費
20代後半男性の失業事態は、人的資源の養成にも大きな痛手となっている。大学ないし大学院を卒業し
軍隊を除隊してから2〜3年以内に職に就けない場合、多くが5~6年間は「浪人」生活を送ることになる。
これからの韓国を支えていく若者の競争力は衰えていくばかりだ。
延世(ヨンセ)大学就職情報室のキム・ノンジュ副室長は「20代男性は女性と違い、不安定な私企業より
公務員や公共企業を好み就職を先送りにしているため、いわゆる“オールドボーイ”になっている」とし、「この
ような現象は個人はもちろん、国家にとっても大きな損失」と話した。
■ソース(朝鮮日報)
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2005/12/27/20051227000063.html