脱線事故 県内3人死亡 「さぞ無念」隣人ら沈痛
体調がすぐれない実母を気遣う主婦は、実家の山形県鶴岡市に向かおうとしていた。
同僚の信頼が厚いTDK社員、子どもたちの虫歯対策に取り組む県職員は、出張途中
だった。3人は25日夜、JR羽越線・特急「いなほ14号」の先頭車両に乗り合わせた。
山形県庄内町で起きた脱線・転覆事故。犠牲者は3人を含め4人、けが人32人の中にも
4人の県関係者がいた。隣県の惨事に強い衝撃が走った。
畠山祐紀さん(51)、畠山学さん(42)、臼井和弘さん(34)の死亡は25〜26日、
相次いで確認された。
畠山祐紀さんの遺体は26日午後3時すぎ、秋田市新屋松美町の自宅に静かに運び
込まれた。3人の娘と秋田中央署秋田駅前交番に勤務する夫の健悦巡査部長(56)との
5人家族。近くの主婦は「まだ娘さんも大学生。無念でしょう」と沈痛な面持ちで見守った。
鶴岡市内で暮らす母親の介護のため、頻繁に山形に足を運んでいた。「大雪で普段
使っている車の運転をやめ、電車に乗ったのでは」。そう話して目頭を押さえる地元住民
も少なくなかった。町内会長の横山長吉さん(76)によると、3年前、町内会班長の順番
が回ってきた際、介護が忙しいにもかかわらず、「お互いさまだから」と引き受けてくれたという。
大の猫好きでも知られていた。飼い猫に首輪をつけ散歩するほほ笑ましい光景も
見られた。「弱った野良猫を見つけると動物病院に連れていった。明るく、温和な人だった」。
そう話す知人の目に涙がにじんだ。
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http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/akita/news001.htm 読売新聞社 2005/12/27