萩市椿東の松陰神社境内にある、吉田松陰(一八三〇―五九)の書簡などの資料を収蔵・展示する同市の
松陰遺墨展示館が、来年一月十三日で閉館する。今月二十七日まで有料で開館。来年一月四日から十三日まで
無料開放した後、施設を取り壊す。
松陰神社が、境内に所蔵資料を収める宝物館の建設を計画しており、土地の返還要請があったため、閉鎖を決めた。
市は展示していた松陰の手紙や和歌などの資料は、借り受けていた同神社に戻す。
同展示館(約八十平方メートル)は、松陰の没後百年の一九五九年に、神社側から五十年の契約で、
敷地を借り受けて市が建設した。入場者はこの二、三年、一万五千人前後で推移していた。
松陰は長州藩士で、尊王攘夷(じょうい)論を主張。ペリー再航のとき、アメリカの軍艦で密出国を企てたが、失敗。
後に、松下村塾を開き、高杉晋作、伊藤博文、山県有朋ら維新の志士を育てた。安政の大獄で死刑となった。
市文化財保護課は「松陰に関する資料は、高杉晋作らと並んで、萩博物館で萩のメーンテーマとして展示を
続けたい」としている。
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