寒波の影響で中部地方は十九日、名古屋市で五十八年ぶりの大雪を
記録するなど各地で記録的な積雪に見舞われた。流通業界では百貨店の
客足が鈍り、渋滞で配送が遅れるなど影響を受けた。ただ、当面は強い
冷え込みが続くと予想され、暖房器具をはじめ“防寒用品”特需への期待も
出ている。
松坂屋本店(名古屋市)では、十九日の客足は「普段の月曜日に比べて
めっきり少ない」と広報担当者。午後から雪が降り始めた十八日は来客数、
売り上げとも前年同期より20%マイナスと大幅に減った。ウォームビズや
歳暮商戦が盛り上がっていただけに「水を差されてしまった」と嘆く。
ユニーは十九日、道路渋滞で中部各店の商品配送ダイヤが乱れた。
「商品が陳列棚からなくなってしまうほどの遅れではなかった」という。
十八日は降雪が激しくなってきたため、アピタ北方店(岐阜県北方町)や
同大口店(愛知県大口町)の閉店時刻を二−三時間繰り上げた。
売り上げへの影響も出そうという。
一方でホームセンターのカーマは、名古屋市の店舗を中心に、雪かき用の
スコップや竹ぼうきなど除雪用品が一気に売れた。例年はそれほど積雪が
ないため、店に備えていた品数は少なく売り切れ続出。追加発注しているが
「各地で例年より早く積雪があり、メーカーにも在庫がない」という。
暖房器具などの売れ行きも好調だ。ユニーの十二月度(十一月二十一日−
十二月二十日)の家電部門は、石油ファンヒーターや電気ヒーターなどが
けん引して十八日現在で前年同期比20%増。サークルKサンクスによると、
使い捨てカイロの売り上げは十二−十八日の一週間は前週の一・五倍になった。
思わぬ“特需”にわく企業も。井村屋製菓(津市)は、冬の主力商品である
肉まんやあんまんが好調。コンビニなど店頭向けの売り上げは、十二月に
前年同月比4%増を見込むが、さらに伸びる可能性も出てきた。スーパーで
販売する家庭向け袋入りタイプも、十一月以降に約15%売り上げを増やした。
空気の乾燥した日が続いているため、スギ薬局では「ハンドクリームの
売れ行きが上々」という。
引用元:中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/00/thk/20051220/ftu_____thk_____002.shtml