◇名物サル島の存続ピンチ 天王寺動物園 感染症困った
大阪・天王寺動物園のサル島のニホンザルが結核に感染し、
公開が見送られるようになって1年以上が経過した。サル島の再開には
感染症予防のため、ほかのサルを個体管理する施設を作る改修工事が必要なため、
具体的な再開のめどはまったく立っていない。園関係者は「建設中の新しい施設もあり、
これ以上、市に予算を要求できない」と厳しい状況。
名物のサル島がこのままなくなってしまう可能性が高い。
同園では昨年7月末に6歳のメスが死亡し、解剖の結果、10月に結核と判明したため
サルの公開を休止。その後さらに3歳のメスが死亡したため、残りを園内の
動物病院に隔離して抗結核薬を投与するために治療した。
しかし、その後も死亡が相次ぎ、最後に残った11匹も隔離生活のストレスや、
薬の副作用とみられる下痢やおう吐などの症状がみられ、結核の疑いがぬぐえないと
麻酔薬を注射して安楽死させた。
同園の長瀬健二郎飼育課長は「健康診断などを固体管理するため、
職員らが容易に捕獲できる施設にすることが最低条件」と厳しい表情で話す。
現在の広いサル島では職員が施設内に入って1匹ずつサルを捕獲することは困難。
さらに隔離して健康診断などを実施する屋内施設をつくる必要があると指摘する。
改修となればかなりの予算が必要。同園では「ZOO21計画」として平成7年の
「爬虫(はちゅう)類生態館」を皮切りに、12年9月の「アフリカサバンナ区草食ゾーン」、
昨年1月に「アジアの森・ゾウ舎」などを次々とオープン。ここ数年、
新施設を続けて建設しているだけに、「これ以上の予算要求は無理」というのが本音のようだ。
(中略)
同園は大正4年の開園時からニホンザルを飼育。現在のサル島は昭和11年に完成した。
来園した大阪府河内長野市の会社員は「このままサル島がなくなるのはさびしい。
親子の毛づくろいなど親子のサルの営みは見ていて楽しいし、
ましてや動物園の象徴ですから」と話していた。
ソース(産経新聞)
http://www.sankei-kansai.com/a01-news/top-news1.htm