強い寒気の影響で連日の雪に見舞われている県内では15日、雪害による事故が各地で相次いだ。
新庄市の高校で女子生徒2人が屋根から落下した雪で生き埋めになる事故があったほか、雪下ろし
中の転落などで5人が重傷を負った。
雪の事故による重傷者は11日から計11人に上る。
週末には再び大雪が予想されていることから、県や県警は「雪に対する万全の安全対策を」と呼びか
けている。
新庄市松本の私立新庄東高校で午後3時半ごろ、体育館の屋根から厚さ約50センチの雪の塊が落
下、2年生の女子生徒2人(ともに16歳)が生き埋めとなった。
通りかかった小学生数人が目撃して校内にいた男子生徒らに通報。
教員ら3人が手で雪を掘り、約50センチ下に埋まっていた2人を約10分後に救出した。
新庄署や高校によると、女子生徒2人にけがはなかったが、うつぶせに埋まったために呼吸が苦しい
状態になっていたという。
1975年に完成した体育館の屋根は、雪を落下させるためアーチ型に設計されていた。
雪崩止めは、雪の重みに耐えられないために設置されていなかった。
大雪が降った後は付近の歩行は困難になるため、高校では特に指導せず、これまでに事故はなかっ
たという。
高校は、降雪時には体育館の周囲2か所を通行止めにする。
今野恭子教頭は
「今年は積雪が早く、付近は歩けても屋根から落雪する特異な状況だった。
想定が甘かった。
これを教訓として、生徒の安全を確保したい」と話していた。
また、小国町白子沢では正午ごろ、一人暮らしの脇とめのさん(82)が自宅の軒下で雪に埋まってい
るのが見つかり、近所の人に助けられた。
脇さんは腕の骨を折るなどの重傷。
小国署によると、脇さんは除雪中に屋根からの落雪に埋まり、30分間ほど身動きが取れなかったと
いう。
午後0時40分ごろには、最上町向町の無職宮嶋栄一郎さん(56)が、自宅1階の屋根で足を滑らせ
てコンクリートに転落、腰を骨折する重傷を負った。
新庄署によると、命綱などはつけていなかった。
このほか、天童市や朝日町などで3人が重傷を負った。
山形地方気象台によると、15日は県内各地で厳しい冷え込みとなった。
午前中に日が差し、凍った雪が解けたために落雪などが相次いだとみられる。
16日夜から18日にかけて低気圧が通過するため、各地で大雪が予想される。
県危機管理室は、滑り止めを準備して複数で除雪作業をするなど、万全の対策を呼びかけている。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/yamagata/news001.htm