女性の更年期障害の「ホルモン補充療法(HRT)」は、海外の研究結果から乳が
んにかかる危険性を高めると知られているが、厚生労働省研究班調査の中間解析では、
使っていない人に比べ乳がんの発症リスクが3割ほど低くなることがわかった。日本
では使用期間が短い、ホルモン剤を1種類しか使わないことが多い、などが逆の結果
が出た理由として考えられる。HRTの是非は世界的に論議の的になっており、今回
の結果は注目を集めそうだ。
9日に米国サンアントニオで開かれる乳がん学会で発表される。
研究班は昨年9月から今秋にかけ、国内7施設において、45〜69歳の乳がん患
者2547人と一般女性2113人を対象に、HRT経験の有無を調べた。
乳がん患者のHRT経験者は132人(5.2%)で、一般女性の方が経験者は1
62人(7.7%)と多く、統計上、HRTをした方が乳がんになるリスクが34%
低かった。
HRTの使用期間は、半数近くが1年未満で、約8割が5年以内だった。多くは卵
胞ホルモン(エストロゲン)だけで、黄体ホルモンを併用していたのは1割ほどだっ
た。
■ソース
http://www.asahi.com/life/update/1204/001.html