インフルエンザ治療薬のリン酸オセルタミビル(タミフル)の服用後、日本の小児12人が死亡
していたと米国食品医薬品局(FDA)が発表した問題で日本小児科学会(衛藤義勝会長)は
30日、「現時点でタミフルと死亡についての因果関係が明らかなものはない」との見解を学会
のホームページで公表した。
一方で、タミフルについての調査継続と結果の適切な公表が必要だと訴え、「従来通り(タミフ
ル)投与の適応や経過観察への注意が必要」と呼びかけた。
タミフルでは、服用後に14歳の少年がマンション9階から転落死した例や17歳の少年がトラッ
クに飛び込み死亡した例が日本小児感染症学会で報告され、服用後の異常行動が問題となっ
ていた。
小児科学会は、17歳の例について年齢的に小児ではないとし、検討対象外とした。死亡例以
外の検討はしなかった。
FDAは死亡例以外も検討し、服用後に自宅の窓から飛び降りた少年ら3人の異常行動を「最も
警戒を要する神経症状」と位置づけていた。
同学会予防接種・感染症対策委員会の岡部信彦委員長は「国も製薬会社も、FDAにデータを
出すなら、学会にも早く出してほしかった。
医師は、薬の使用は一般にリスク(危険性)を伴うことを念頭に置いて、タミフルを使ってほしい」
と話している。
http://www.mainichi-msn.co.jp/science/medical/news/20051201k0000m040130000c.html