宇和海の新鮮な小魚をまるごとすり身にして揚げる「じゃこ天」。 地元の味を全国ブランドの特産品に
育てようと、製造業者23社でつくる宇和島蒲鉾協同組合が、アサヒビール松山支店の協力を得て全国
PRに乗り出した。ビールとの相性の良さが結んだ「じゃこ天プロジェクト」。 街には手作りのPRソングも
流れ出し、様々な企画が動き始めた。
雑魚で作るため、「ざこ天」 から「じゃこ天」 と呼ばれるようになったとの説もあるが、真偽は不明だ。
小魚のハランボ(ホタルジャコ) が主な原料で、県内での人気は高いが、全国的な知名度はいま一つ。
そこで、じゃこ天を全国ブランドに育てたい組合と、四国唯一のビール工場を西条市に持ち、地域密着を
打ち出したいアサヒビールの思いが一致したという。
「じゃこ天プロジェクト」 の概要は24日夜、宇和島市で開かれたアサヒビール愛飲者の会で披露された。
PRの大役を担う「じゃこ天大使」 には、PRポスターのモデルになった宇和島漁協職員の大平美香さん
(20) が第一号として任命されたほか、地元出身のプロ野球選手岩村明憲さんらと交渉していると報告
された。
アサヒビールの全面協力で撮影されたPRポスターは、同市遊子の段畑で大平さんがビールとじゃこ天を
手にほほ笑む2種類で、2千枚を羽田空港やJR四国の主要駅など掲示するという。
加盟店の紹介、作り方などの豆知識を載せたミニマップ「じゃこ天味めぐり帖(ちょう) 」 を5万部印刷
するほか、ホームページ開設や「じゃこ天本」 の出版、新製品の開発など夢は広がっている。
組合の島原傳喜・代表理事(66) は「仙台の笹蒲鉾(ささかまぼこ) や鹿児島の薩摩揚(さつまあげ)の
ような全国ブランドに育てていきたい」 と意欲的。富永寿郎・アサヒビール常務(60) も「ビールと
じゃこ天はおいしく合う。日ごろのご愛顧へのお礼として、出来る限りのお手伝いをします」 と話していた。
■ソース
http://mytown.asahi.com/ehime/news01.asp?kiji=5627