医療用甘味料として使われ、虫歯予防の効果もあることから、あめやガムに含まれることが多い
キシリトール。岐阜大学応用生物科学部の高見沢一裕教授(環境微生物工学)が、おがくずなどの
植物系廃棄物からキシリトールを生成する研究に取り組んでいる。高見沢教授は「間伐材の有効
利用につながる可能性がある」と意気込んでいる。
キシリトールは、シラカバなどから抽出される「キシロース」と呼ばれる糖分を原料としている。
キシリトールの他にも、樹脂や溶剤の原料として用いられている。生物分解性プラスチックの原料
となる乳酸を生成することもできる。
高見沢教授によると、国内で消費されているキシリトールの大半は、フィンランドなどの北欧材
から作られている。
キシリトールを1トン作るには、その4倍の材木が必要とされている。そこで高見沢教授は5年
ほど前に、植物系廃棄物として使い道がほとんどなかったピスタチオやクルミの殻を50ミクロン
程度に細かく刻み、細菌で反応させてキシロースを抽出する方法を開発した。
今回は、さらに廃棄量が多いスギやブナなどのおがくずや、竹を使ってキシロースを抽出する
方法の研究に着手。実証実験を重ねた結果、問題なく抽出できることが分かり、今年7月の環境
技術学会で成果を発表した。
現在、チップにしたシラカバを高圧水蒸気で熱加工して、キシロースの状態を経ずに、直接
キシリトールを生成する技術が、実用性の観点から生成方法の中心となっている。
シラカバの大量伐採を避け、環境に配慮した生成方法を探るため、高見沢教授は細菌を使って
スギやブナなどの間伐材から直接キシリトールを生成する研究にも取り組んでいる。
高見沢教授は「資源循環型社会を目指すためにも、新しい技術を開発したい」と話している。
■ソース
http://mytown.asahi.com/gifu/news01.asp?kiji=4682