◇山梨の教諭、出勤ゼロ「研修」専従 教組研究所に2年間
山梨県内の公立小中学校の教職員が所属する山梨県教職員組合(山教組)が中心になって
開設した教育シンクタンク「山梨県教育研究所」に県内の小学校教諭が平成15年度からの
2年間にわたり、赴任した勤務校には出勤せず、研修扱いで事務局業務に従事していたことが
分かった。こうした外部団体業務への「ヤミ専従」は札幌市などでも明るみに出ており、
教員の特例となっている研修制度が悪用されたケースが多い。公務員の人件費削減をめぐる
論議が進むなか、教員の勤務や給与管理のあり方が改めて問われそうだ。
関係者によると、この教諭は富士吉田市内の小学校に配属される一方で、
「研究局長」などの肩書で研究所の業務に従事し、今年度も事務局に常駐している。
この教諭の平成15年度と16年度分の「出勤簿」はすべての土曜日と日曜日のほか、
元日や大みそか、国民の祝日まですべて「研修」で埋まり、
学校への出勤日数は2年間通じて1日もなかった。
教員は仕事の性質上、他の公務員より「研修」が幅広く認められ、
校長の承認があれば、勤務校を離れた研修にも給与が支給される。
ただ、こうした特例が学校現場では拡大解釈され、自宅での休養や旅行などにまで適用されたり、
教組との癒着などから勤務校に籍を置いたままの組合活動や外部団体の業務に従事する
「ヤミ専従」の温床にもなっている。さらに学校の残務を研修で給与処理するなど
「研究と修養」という本来から外れた運用も行われている。
産経新聞の取材にこの教諭は「私の勤務に関する事柄だが、所長が対応する問題となっており、
私は答える立場にはない」などと回答している。
文部科学省は「明らかにおかしい」として山梨県教委を通じ教諭の勤務処理が
研修の実態を伴っているのか報告させ、改善を求める方針だ。
■山梨県教育研究所 山教組が、校長会や教頭会などとともに平成7年に開設。
研修行事を開催したり教育シンクタンクとして提言活動を行ったりするが、事
務所は山教組と同一住所で幹部も組合役員で占められる系列団体。
ソース(2005年11月27日08時10分 産経新聞)
http://www.sankei.co.jp/news/051127/sha024.htm