高分子カプセルで治療用の遺伝子を患部に運び、レーザー光で活性化させる、新しい遺伝子治療法を、東京
大大学院工学系研究科の片岡一則教授らが開発し、20日付の英科学誌ネイチャー・マテリアルズ電子版に
発表する。
患部だけを狙い撃ちするため、正常な部分に影響を与えず、副作用が少ないとしている。
遺伝子治療は、病気の細胞内に治療用遺伝子を送り込んで行う。主に病原性を取り除いたウイルスを遺伝子
の輸送役として使うが、炎症などの副作用が出たり、治療目的以外の細胞の遺伝子を組み換えてしまう恐れ
がある。
片岡教授らは、高分子材料に、遺伝子とそれを働かせる薬品を混ぜ、球状カプセル(直径0・1マイクロ・
メートル)を作った。カプセルを患部に注射してレーザー光を当てると、カプセルが分解し、薬品が反応し
て遺伝子を活性化させる仕組みだ。
片岡教授らは、マウスの目の実験で光を当てた部分だけでカプセル内にあった遺伝子が働くことを確認した。
加齢黄斑変性症など目の疾患やがん治療に応用する研究を進めている。さらに再生医療への利用も目指して
いるという。
(2005年11月21日3時2分��読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20051121i201.htm?from=main2 より