韓国・釜山市で十九日まで開かれているアジア太平洋経済協力会議(APEC)で、テロを
未然に防ごうと市民ボランティア約三千人が連日、地下鉄各駅を巡回し、不審物に目を
光らせている。地下鉄では警察や軍もテロ警戒に当たっているが、市民が警戒活動に参加
するのは珍しい試みだ。同市は「自分の町を自分で守るという意識が高まり、テロに対する
心構えもできる」と二次的な効果にも期待している。
ボランティアの名称は「APEC市民安全奉仕団」。同市では、過去のアジア大会やサッカー
ワールドカップ(W杯)でボランティアが活躍した実績があり、ボランティアへの市民の参加
意識が高いことから、今回も市が公募した。
期間は四十日間で、九月二十八日から今月九日までは朝夕のラッシュ時に約七百人、十日
から十九日までは終日約三千人を七十二の地下鉄駅に配置。乗客を装ったテロリストが
不審物を置いて逃げないか監視するほか、電話など構内の設備に爆発物が仕掛けられて
いないかを巡回・点検している。
大学街で一日中、乗客が絶えない「慶星大・釜慶大駅」で活動している主婦、供性春
(ホンソンチュン)さん(65)は「自分が守っているときは絶対テロは起こさせないという
気持ちで参加している。健康のためにもなるし、国の役にも立てて、非常にやりがいが
あります」と話していた。
■ソース
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051118-00000070-nnp-kyu