赤色灯をつけて、京都御苑内を巡回する府警のパトカー(9日午後5時35分)
15、16両日の米国のブッシュ大統領の入洛に備え、京都府警は11日にも
中澤見山本部長を長とする「警護警備実施本部」を設置する。ピーク時は
府警全警察官の約半数を投入、他府県の応援も得て計約6000人が動員され
る予定で、京のまちは厳戒態勢となる。
府警は9日、警護警備全体会議を非公開で開いた。本部の関係各課と警察署の
幹部ら約150人が出席、国際テロの現状や大統領滞在中のスケジュール、
警備実施概要などを説明した。他府県からの応援部隊もこの日、続々と京都入りし
た。
府警は、16日開かれる日米首脳会談の会場として調整されている京都迎賓館が
ある京都御苑と周辺で、10月中旬から徒歩や車両による巡回警備を実施。
11月に入ってから、管轄の中立売署が1日300−400人に上る職務質問を
行っている。
府警は、御苑への市民の立ち入りが全面禁止となる14日に警察犬も投入し、
御苑内の不審物を調べるほか、大統領の通過時などに市中心部で交通規制を
行う予定。
京都市営地下鉄は14日から3日間、京都御苑に近い丸太町駅など烏丸線や
東西線の主要駅で職員を増員、「特別警戒」の腕章を付けて不審な人や物の
発見に努める。コインロッカーの使用も停止し、10日からロッカー閉鎖の
告知を掲示する。
京福電鉄は14日夜から無人駅の巡回を強化する。近鉄は8日に、米中枢同時テロ
以降続けているごみ箱内の点検などの再徹底を各駅に指示。JR西日本も
12日から京都駅構内の警備員を増やす方針で、京阪、阪急両電鉄はロッカー
の閉鎖などの防犯対策を検討しているという。
京都市やガス、電話会社は、大統領の通過が想定されるコース周辺の下水溝や
共同溝のマンホールを、11日以降、シールを張るなどして封印する。
府警は、大統領入洛の直前に本番さながらの予行演習を、市民生活に影響を
及ぼさないように夜間に実施する計画だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=19700101-00000003-kyt-l26