NTTは9日、グループ内で重複している事業の集約を柱とする中期経営戦略の実
行計画を公表した。次世代の通信ネットワークは携帯電話を合わせて構築し、インタ
ーネット関連事業や大企業向けの通信サービス事業をNTTコミュニケーションズ
(NTTコム)に一本化することが盛り込まれた。
「放送と通信の融合」や「固定通信と携帯電話の融合」に向けた動きが加速する中、
グループ内企業の役割分担を明確にして事業効率の向上を図り、競争力を高めるのが
狙い。ただ、ソフトバンクなどは「独占時代に戻る動き」と批判、NTTの競争力強
化を警戒する声もあり、1999年に地域会社と長距離会社分割を定めたNTT法の
見直し論議に発展する可能性もある。
記者会見したNTTの和田紀夫社長は「今回の見直しは役割の整理。NTT法の改
正を伴わないので再々編とはとらえていない」とグループ内の連携強化策と強調した。
実行計画によると、IP(インターネットプロトコル)技術による次世代の通信ネ
ットワークは、NTT東日本、NTT西日本、NTTドコモの3社で構築。光ファイ
バーなどを使う固定電話と、高速データ通信が可能な携帯電話を相互利用できるサー
ビスを目指す。NTT以外の通信会社も使えるネットワークを見据えている。
ネット関連事業では来年夏をめどに、ポータル(玄関口)サイト「goo」を手掛
けるNTTレゾナント(東京)を、ネット接続サービス「OCN」を運営するNTT
コムに事業統合する。
NTTコムには、NTT東日本グループのネット接続会社、ぷららネットワークス
(東京)なども順次移管する考え。さらに大企業向けのシステム構築や運用など通信
サービス事業を東西地域会社からそれぞれ移し、ネット部門と大企業向け通信サービ
スの「担い手」とする。
映像配信やポータルサービスの需要が急速に拡大する中、これらの事業をグループ
内で一体化することで「激しい変化のスピードに対応する」(有馬彰取締役)。企業
向けでは、NTTコムとNTTドコモの連携強化も重視している。
■ソース
http://www.sankei.co.jp/news/051110/kei003.htm