パリ郊外、夜間外出禁止令 仏暴動で18歳未満
【パリ=山口昌子】フランスのドビルパン首相は七日夜(日本時間八日未明)、
民放テレビTF1との会見で、同国全土に拡大している暴動沈静化へ向け、
警官隊の増強や必要に応じ夜間外出禁止令を出す権限を地方の首長に与える
一方、職業訓練年齢の引き下げや奨学金の増額など、若者の不満を解消する
対策を取ると発表した。ロイター通信によると、パリ郊外ランシー市の市長が
同日、親などの付き添いのない十八歳未満の少年に夜間外出禁止令を出した。
首相は暴動について「受け入れも許すこともできない」と述べるとともに、
現在、配備中の警官、憲兵隊八千人に加え、千五百人の引退警官や憲兵隊員を
召喚して計九千五百人に増強する考えを明らかにした。また、「必要なら
夜間外出禁止令を発動する」と述べ、暴動阻止に強い態度で臨むことを強調、
夜間外出禁止令の発動権限を地方自治体の首長に与えることを明らかにした。た
だ、軍隊の出動は否定した。暴徒の多くはアラブ系やアフリカ系の若者とみら
れるが、未成年に関しては両親の「責任」を指摘した。
一方、未成年者がなるべく早く職業訓練をきちんと受けられるように、
訓練開始時期を現行の十六歳から十四歳に引き下げることや寄宿制度の創設、
さらに奨学金を三倍にすることなどを明らかにした。暴動発生当初、パリ
郊外セーヌ・サンドニ県のモスクに警察の催涙弾が投げ込まれ、イスラム教徒が
大半を占める移民が激怒、暴動が激化したことに関して、「モスクが標的では
なかった」と述べ、釈明した。
また、暴動にイスラム過激派が参加しているのではとの指摘に対しては、「な
おざりにできない問題だが、目下のところは暴動参加者や郊外のイスラム教徒の
主要グループにイスラム過激派はいない」と否定。そのうえで、「われわれは
一致団結する必要がある」として、政府が一丸となって問題解決にあたる姿勢を
強調した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051108-00000026-san-int