東京都の2016年の東京五輪招致で、メーン会場を東京・渋谷の代々木公園とし、
10万人規模の新スタジアムや選手村を建設する大再開発構想が進んでいることが2
8日、わかった。
再開発面積は100ヘクタールを超え、総費用約1兆円を見込む巨大プロジェクト。
関連施設を集中させることで、国内外の招致合戦に勝ち抜こうという狙いで、実現す
れば、1964年の東京五輪以来の“首都大改造”となる。
構想によると、再開発の中心となる地域は、代々木公園(54ヘクタール)と、北
側に接する国立オリンピック記念青少年総合センター(8・4ヘクタール)、南側の
国立代々木競技場(9ヘクタール)を含む計71・4ヘクタール。さらに、約2キロ
離れた国立霞ヶ丘競技場や神宮球場、東京体育館などが集まる神宮外苑(35ヘクタ
ール)も対象となる。
代々木公園内には、開会式や陸上競技に用いるメーンスタジアムを建設。国内最大
級の約10万人収容のスタンドを整備し、「選手が歩いて行ける場所」に滞在施設
(選手村)を作る。また公園内には水泳競技のプール新設も検討されている。
一方、神宮外苑では、58年建設の国立競技場を壊して、サッカーの主会場とする
約7万人収容のスタジアムを建設。バレーボールなどの会場を想定する東京体育館も
建て替え、神宮球場を「ドーム化」する案も出ている。
都によると、五輪招致の第一条件は「優れた開催計画を持つこと」で、中でも選手
村の立地は選手のコンディション維持や警備面で最重視されている。神宮外苑は選手
村からバスで約5分という至近距離。
12年の開催が決まったロンドン五輪も、選手の8割が選手村から20分以内で競
技場に行ける便利さが高く評価されており、都では、主な競技を代々木・神宮一帯に
集約することで「利便性」をアピールし、招致運動を有利に進めたい考えだ。
また、64年の東京五輪は93か国・地域から5133人が参加したが、昨年のア
テネ五輪は202か国・地域で1万1099人が参加。観客動員数も飛躍的に増えて
おり、前東京五輪の施設では収容能力が著しく不足するとみられている。
日本体育協会会長の森前首相が先月16日、都庁で石原慎太郎知事と会談、「大が
かりな再開発が不可欠」との方針を申し合わせた。
■ソース
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20051028it06.htm