アイピーモバイル、2GHz帯の認定申請書を提出。IIJ-Techなどが出資へ
アイピーモバイルは30日、2GHz帯を利用する特定基地局開設計画認定申請書を
総務大臣に提出したと発表した。合わせて、10月をめどにIIJグループのアイアイジ
ェイテクノロジー(IIJ-Tech)などを引き受け先とした総額8.75億円の第三者割当増
資を実施する。
認定申請書によれば、アイピーモバイルは2GHz帯を利用したTD-CDMA技術を利用
したモバイル・ブロードバンドサービスを2006年度中に東名阪エリアで開始したい考
え。サービス開始時の利用料金はプロバイダー料金を含めて2,500〜5,000円で、下り
最大5.2Mbps、上り最大 848kbpsのサービスを提供するという。
対象端末としてはノートパソコンやPDA向けのデータ通信カード、デスクトップパソコン
など屋外環境向けのモデム、マシン対マシンの組込型データ通信サービスなどを想定
している。
また、2007年度以降から2010年度にかけてサービスエリアを全国に拡大。通信速度も
拡張技術の導入によって、下り最大22.1Mbps、上り最大2.64Mbpsへと高速化を実現す
るとともに、映像や音楽など大容量コンテンツの同時配信サービス、データ・音声複合
サービス、法人向けサービスを展開するという。
加えて、エリア拡大にあたっては有線サービスを中心に進められているデジタルデバイ
ドの解消などといったブロードバンド未整備地域への展開を図るとしている。その上で、
将来構想として、パソコンや携帯電話、オーディオプレーヤー、ゲーム機などのデジタ
ル機器が、どこでも自由に通信できるモバイルブロードバンドプラットフォームの実現を
目指す考えだとしている。
合わせてアイピーモバイルでは、10月をめどにIIJ-Tech、CSKグループのCSKプリンシ
パルズ、楽天グループの楽天ストラテジックパートナーズ、翔泳社の4社を主な引き受
け先とした総額8.75億円の第三者割当増資を実施する。増資後の資本金は13.25億円と
なる予定で、アイピーモバイルでは事業会社への移行に向けて準備を進めていくという。
このうち、5,000万円の引き受けを予定するIIJ-Techでは、アイピーモバイルが商用化を
計画しているサービスを今後のソリューション展開として活用するほか、同社が保有する
IPネットワーク技術やシステム構築のノウハウをアイピーモバイルに提供し、SI事業で
の協力も行なっていくという。なお、IIJでも将来的に法人向けモバイルサービスやソリュ
ーションの提供を検討するとしている。
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/09/30/9319.html