〔9/22 11:20 毎日新聞〕
米疾病対策センター(CDC)のチームが21日、人で毎年流行する
インフルエンザウイルスが、比較的安価な治療薬「アマンタジン」に対する
耐性を急速に獲得、中国や香港で耐性ウイルスの割合が約7割に及ぶ
深刻な事態になっていると、英医学誌ランセット(電子版)に発表した。
アマンタジンへの耐性は、アジアで流行中の鳥インフルエンザ(H5N1型)
ウイルスでも報告されていた。人と鳥のウイルスが交雑し、世界的に大流行する
新型インフルエンザが出現する事態が懸念されているが、CDCは今回の
人のウイルスでの耐性拡大を受け「この薬は新型ウイルスの治療にはもう
役に立たないだろう」と警告。世界的な新型インフルエンザ対策にも影響しそうだ。
アマンタジンは、世界で約30年、A型インフルエンザの治療に使われてきた。
CDCが1994年10月から今年3月までに世界で集めたA香港型(H3N2)などの
人のウイルス約7200種を分析したところ、94〜95年は、アマンタジンへの
耐性ウイルスの割合は0.4%だったが、2003〜04年は12.3%と、30倍以上に増えた。
CDCによると、中国などではアマンタジンが薬局で処方せんなしで買えるため、
使われ方の違いが耐性出現率の差に出た可能性があるという。(ワシントン共同)
http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/america/news/20050922k0000e040032000c.html