日本相撲協会は29日、秋場所(9月11日初日、両国国技館)の
新番付を発表した。昨年九州場所から5連覇中の横綱・朝青龍
(24=高砂部屋)は元横綱・大鵬に並ぶ史上2人目の6連覇に挑
む。また、ブルガリア出身の琴欧州(22=佐渡ケ嶽部屋)が歴代
2位タイのスピードで関脇昇進。先場所技能賞を獲得した普天王
(25=出羽海部屋)は新小結となった。
肌はツヤツヤ、顔はニコニコ。6連覇を狙う朝青龍はいつも以上に
リラックスしていた。「調子は普通だよ。長い長い夏休みが終わっ
たんで」と少しばかり日焼けした顔をほころばせた。
5連覇を達成した名古屋場所後は、蒸し暑い日本を抜け出して故
郷のモンゴルで多くの時間を過ごした。馬の乳を発酵させたモンゴ
ルの酒、馬乳酒が元気の源。ビタミン、ミネラルを豊富に含む馬乳
酒を飲み、さらには肌に塗り込むことで体の内も外も万全に近い状
態となった。
体を動かすことも忘れなかった。「1日1時間くらい山走りとかを
していた。スタミナにも気をつけないといけないからね。今回はや
りました」。昨年秋場所は、場所前の2度の結婚披露宴などで心身
ともに消耗。9勝6敗という惨たんたる成績でV5を逸した。普段
はしないトレーニングを敢行したのは秋場所に懸ける意欲の表れだ。
先場所の悔しさもまだ残っている。黒星を喫した琴欧州や黒海へ
のリベンジ。「予告していた通りに琴欧州のところに出稽古に行く
のか」と聞かれると、その質問が終わらないうちに「もう行く、行
くよ。5日間くらい」ときっぱりと答えた。
会見を終えると、すぐさま稽古場の体重計に向かった。針が147
キロを示すと「セーフ!」と納得の表情。「初日までに144キロ
ぐらいにはしたいね」。大鵬以来の6連覇という偉業に向け、抜か
りなくじっくりと調整を進めていく。
▽馬乳酒 馬の乳を乳酸菌と酵母で発酵させたモンゴルの酒。アル
コール濃度は1〜3%ほど。遊牧民族にとってビタミンCなどを含
む貴重な栄養補給源で、胃腸をきれいにするなど健康を促進する効
果もあると言われている。アイラグと呼ばれて、おとなだけでなく
子供も飲む。「カルピス」のヒントになったといわれている。
http://www.sponichi.co.jp/sports/news/2005/08/30/01.html