防衛庁は、陸海空3自衛隊の女性自衛官や、同庁の女性職員の子育
てを支援するため、2007年度に託児施設を東京都内の陸自駐屯
地に開設する方針を決めた。必要経費を06年度予算の概算要求に
盛り込む。
中央省庁では、文部科学省が01年10月に庁舎内に保育室を開設
しているが、同庁は、この都内でのモデル事業を手始めに、全国展
開も検討する。
現在、女性自衛官は約1万1000人、女性事務官ら職員は約5000人。
既婚の女性自衛官の約8割、女性職員の約5割が、自衛官同士や職
員同士の夫婦とされ、宿直や残業、非常時の呼集などで不規則にな
りがちな勤務の中での子育てを手助けする狙いがある。
自衛隊中央病院や衛生学校がある三宿駐屯地(世田谷区、目黒区)の
敷地内に鉄筋コンクリート造り2階建ての施設を建設し、運営は民
間会社に委託する。0〜6歳まで定員60人を見込み、夜間や土日
の受け入れも検討する。06年度中に運営会社を選定し、利用料金
や保育内容も決める。
同駐屯地は病院勤務の看護師ら女性の割合が高く、新宿区の同庁に
勤務する自衛官、職員の官舎にも近いため設置場所に選んだ。
同庁が昨年12月にすべての女性自衛官、職員を対象に実施したア
ンケート調査では、回答者の90%以上が「庁舎内か官舎地区に託
児施設があった方がよい」と希望した。土日の勤務や、人事異動な
どで託児先を見つけるのが難しい現状が背景にあるとみられる。
同庁は今後、各地の自衛隊病院などを候補地に託児施設を複数個所
開設したい考えで、「現場の要望を聞きながら子育ての環境づくり
を進めたい」としている。
(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050825ic03.htm