粗糖生産量でインド最大手のバジャジ・ヒンダスタンは、世界的な砂糖相場の
上昇に対応し、生産設備を増強する。インド北部のウッタルプラデシュ州に、
日量1万5000トンの粗糖生産能力を持つ新工場を建設。日量9万5000トン
態勢を整備する。
2004年のニューヨーク先物取引所の砂糖価格は通年で59%上昇した。
市場では「少なくとも今後2、3四半期は価格の下落は起きない」とみられている。
また、甘党が多く、砂糖消費量が世界で最も多いインド国内でも、経済成長を
背景に砂糖需要が高まっている。インド砂糖製造業協会によれば、
今年9月末まで1年間の需要見通しは前年比5.7%増の1850万トンに達するという。
しかし、昨年はインド北部が旱魃(かんばつ)に見舞われ、同期間の供給量は
前年比14%減の1200万トンにとどまる見込み。インド国内の備蓄量も06年9月
には現在の約半分となる450万トン程度にまで落ち込むとみられている。
こうした需給の逼迫(ひっぱく)を背景に、バジャジの05年4−6月期決算は、
純利益が前年同期比で4倍近い5億2960万ルピー(約12億7100万円)、
売上高も同3倍強の36億ルピー(約86億4000万円)の好業績を上げた。
同社はサトウキビ栽培から砂糖の生産、販売まで一貫体制を取っており、
原料価格の上昇も収益に寄与した。バジャジは今後、M&A(企業の合併・買収)
も積極化し、生産能力増強を急ぐ。
ソース
http://www.business-i.jp/news/world-page/news/200507120007a.nwc