仙台市が、ゴミの一部処理を周辺自治体に依頼する異常事態に陥っている。
4月に稼働予定だった泉区のゴミ焼却場・松森工場が、試運転中の事故などで
止まったままで処理が追いつかず、今月20日ごろには貯蔵能力を超えてあふれるためだ。
市は6日から松森工場の試運転を再開させる考えだが、住民からは運転中止を
求める仮処分申請も出されており、先行きは不透明だ。
市によると、松森工場は計画処理能力1日600トン、総事業費365億円で
三菱重工業(本社・東京)が施工した。試運転中の3月31日、3基ある焼却炉の
1基が緊急停止した。有害物質放出を防ぐ装置が、内部にたまったガスの
異常燃焼で焼損したためだった。三菱重工社員の誤操作による故障や、
炉内のゴミが不完全燃焼するトラブルが原因だ。さらに5月13日には、
「残る2基もトラブルがあった可能性がある」として試運転を停止した。
これで、市のゴミ処理計画は狂った。市内で1日に出るゴミ1100トンに対し、
松森工場を除く2工場の処理能力は1080トン。焼却炉が定期検査で使えない時は、
1日に300トンもの未処理が出た。3工場は2万トンのゴミをたくわえられるが、
今月20日ごろには満杯になる。市は6月13日、周辺自治体に今月9日まで
1日最大80トンの処理を依頼した。同時に、「トラブルの原因解明ができた」
として7月の試運転再開を表明した。
それでも、ゴミ運搬費や処理委託費は2800万円かかる。市は負担金を
三菱重工に請求するとしているが、地元住民は「トラブルの責任の所在が
はっきりしていない」「原因究明は不十分」と反発している。
住民側は今年4月下旬、仙台地裁に運転差し止めを求める仮処分を申請した。
住民側によると6月27日に行われた審尋では、「事故原因について専門家の意見も聞いてみたい」
と、今後2回の日程が加えられている。
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http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050704k0000m040043000c.html