二十七日の投票に向けて、五十一人の候補が舌戦を繰り広げる伊賀市議選(定数三四)で、
タクシーを選挙カーにした候補が目立っている。
一方で、合併前の旧町村で重宝されていた軽トラックを使用した選挙カーは姿を消した。 (太田 鉄弥)
市選挙管理委員会によると、タクシーは今回、旧上野市地域の四候補、
旧村地域の三候補の計七候補が利用している。
一昨年四月の統一地方選での合併前の旧六市町村議選では、
旧上野市の四候補が使用したが、それを上回る数だ。
県内他市と比べると、同時期の統一地方選で、津市議選は三候補、
四日市市議選では一候補だったが、伊賀市のタクシー利用は際立っている。
旧上野市などのタクシーの選挙カー利用は、一九九三年の公職選挙法改正以降、
公費負担でできるようになり、徐々に浸透したという。
人気の秘密は選挙カーにかかわる手続きの手間が省けることと、プロの運転手への期待という。
一般的に、選挙カーはレンタカーなどを手配し、都合がつく人に運転手を頼んで契約しないといけない。
しかしタクシーならば、運転手付きで一括契約。警察への看板設置の許可手続きもしてくれ、
交通事故に遭っても社が対応してくれる安心感がある。
さらに今回は市町村合併により、回る範囲が拡大。
タクシー会社の一つは「これだけ広いとプロの運転手の方がよく道を知っている。
ほかの候補者が行けない狭い路地にも入り込んでいける」と長所を話す。
旧村の候補は「うちのように家族で選挙を戦う者はタクシーは手間が省けて本当に楽だ」と重宝する。
一方、軽トラックが姿を消したのは、公選法施行令で、町村議選では使えるトラックや
軽貨物車両が市議選では認められないため。
警察の許可を得ればさらに、走行中でも荷台に候補者が立って支持を訴えられたが、
旧町の陣営の運動員は「いつもの選挙の派手さがなくなったね」と寂しがっていた。
http://www.chunichi.co.jp/00/mie/20050325/lcl_____mie_____003.shtml