コーヒー価格が高騰している。主要生産国ブラジルで生産量が減少する
との観測が直接のきっかけだが、背景には途上国でテロ勢力が
拡大しないようもくろむ米国の影もちらつく。
世界のコーヒー価格の指標となるニューヨーク先物市場では、
二月に一ポンド=一・二ドルを突破。昨年八月の二倍弱と
約五年ぶりの高値をつけた。ブラジルが天候に恵まれず、
収穫が大幅に減ると予想されていることが影響しているようだ。
一方、米国は昨年九月に、コーヒーの消費拡大などに取り組む
国際コーヒー機関(ICO)への復帰を宣言した。
コーヒーは中南米やアフリカなど途上国の収入源となる貴重な農作物だが、
ここ数年は供給過多で価格低迷に直面。貧困から農家が
テロ組織に取り込まれる誘因になっているとの指摘もある。
このため、米国のICO復帰について、関係者は「途上国を支援しようとする政治的動き」
としてコーヒーを通じてテロの温床をなくそうとする狙いがあると推測する。
市場ではコーヒーの高値は当面続くとの見方が広がっている。
http://news.goo.ne.jp/news/sankei/keizai/20050306/m20050306018.html