ロンドン──英国ロンドンの観光名所、ロンドン塔で飼われているワタリガラス6羽が、
野生のカラス約200羽の「侵略」を受け、エサを横取りされたり、病気をうつされるなどの被害を
受けている。ワタリガラスは英王室の守護神とされるため、ロンドン塔の衛兵が毎週、ライフルを
持ってカラスを撃退している。
ワタリガラスが塔で飼育されるようになったのは、17世紀から。伝説によれば、当時の国王
チャールズ2世(在位1660─85)が、ワタリガラスがいなくなれば塔は倒れ、王国も崩壊するとの
お告げを受けた。それ以来、英王室とロンドンの守り神として、大切に飼われているという。
保護策として現在、護衛兵のデリック・コイルさんが、毎週日曜の早朝に22口径のライフルを持ち、
観光客がやってくる前に巡回して、カラスを撃退している。
ロンドン塔など英王室の宮殿を管理するHRCの報道担当者は、「都市部のカラスが増えるにつれ、
様々な問題が生じている」と指摘。「塔でワタリガラスの面倒を見る衛兵は、病気を持ったカラスを
見分けて駆除している」と話している。
塔のワタリガラスは、羽を切られているため空を飛べないが、エサとして市場から毎朝直送される鶏や、
血に浸したビスケットなどが与えられている。
塔のワタリガラスでは、1981年、「グロッグ」という名の1羽が21年間も暮らした後、
塔を突然立ち去る「ハプニング」があった。また、不作法な振る舞いをした1羽がお役ご免となる例もあった。
2005.03.01
Web posted at: 21:57 JST
- CNN/REUTERS/AP
http://www.cnn.co.jp/fringe/CNN200503010011.html