大阪市天王寺動物園(天王寺区)のオランウータン、サブ(オス、18歳)が虫歯に苦しんでいる。
前歯4本がなくなっており、人間なら気絶するほどの痛み。
同動物園は、来園者の与える菓子類が原因といい、「食べ物を与えないで」と呼びかけている。
生後間もなくから飼育員に育てられて人なつっこく、来園者から金網越しにチョコレートやキャンデーをもらい、
おいしそうにほおばる姿が頻繁に見られた。
今年6月の健康診断で、4本が虫歯で溶けたり抜け落ちたりしていることがわかった。
痛いというより食べにくそうな様子。
完治には全身麻酔のうえ複数回の治療が必要で、生命の危険が伴うため困難という。
西岡真・獣医師は「歯茎まで腫れている。こんなひどい虫歯は初めて」。
「日本モンキーセンター」(愛知県犬山市)によると、サブと同じボルネオオランウータンの主食の
果物などに含まれる多糖類は、腸の中で初めて糖の成分に分解されるため虫歯にはならない。
歯のエナメル質は人間より分厚いが、キャンデーなどを食べ続けると虫歯になりやすいという。
(2004/11/13/15:07 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20041113i407.htm