結局、恐竜って何科なんだろうね

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18名無虫さん
竜盤目、鳥盤目・・・一般にはこの分類がまだまだまかり通って(つか、最新の本なんかにも乗ってたりする)るようですね。この辺り、啓蒙活動がまだまだ不十分と言わざるを得ないようです。

で、竜盤目は現在存在しません。この辺目茶苦茶混沌としており、研究者によってまちまちですが、色々な研究者の意見をざっと見る限り、以下の目に分れます(科レベルは細かくなるので省略。カッコ内は比較的メジャーな属。?はまだ流動的で他の目に統合される可能性有り。)。

・雷竜目
  竜脚下目(ブラキオサウルス、ディプロドクス等)
  古竜脚下目(プラテオサウルス等)

・獣脚目
  獣脚形態亜目
   テタヌラ
    ケラトサウルス下目?(ケラトサウルス、カルノタウルス)
    コエロフィシス下目?(コエロフィシス、ディロフォサウルス)
    カルノサウルス下目(アロサウルス)
    テリジノサウルス下目(テリジノサウルス、バリオニクス)
    オルニトミモサウルス下目(ガリミムス、オルニトミムス)
    新獣脚類[恐竜寄り](名称未詳)(ティラノサウルス)
     マニラプトラ
      新獣脚類[鳥寄り](名称未詳)(ヴェロキラプトル、始祖鳥、鳥)

・鳥盤上目
  基盤装盾目
   剣竜下目(ステゴサウルス)
   曲竜下目(アンキロサウルス、ノドサウルス)

  周飾頭目
   ネオケラトプシア下目(トリケラトプス、プロトケラトプス)
   プシッタコサウルス下目?(プシッタコサウルス)

  鳥脚目(ヒプシロフォドン、イグアノドン、ハドロサウルス)

獣脚目は混乱しまくり。統一見解が出せない状態です。
ケラトサウルス下目とコエロフィシス下目は流動してます。元々わけのわからない動物が出てきた時は体の大小で便宜的に放り込まれていたような分類だし。(笑)
「新獣脚類」なる分類は思いっきり新しい説ですが、信憑性高し。

鳥盤上目の基盤装盾目と周飾頭目は「ハイポオーダー・マルギノケファリア」という和訳もないような分類単位派生したものです。ヘテロドントサウルスなんかがここに入るはず。

・・・まだなんかあったような気がするけど、一応こんな感じかな?

>恐竜目って言い方は初耳だな。
>研究者では誰が言ってる?

ということで、J.オストロムやR.バッカーやG.ポールの言うような「恐竜単系統説」は藻くずと消えました。(笑)
よって、「恐竜」って言葉は自然分類単位ではなく、現在我々が使っている「猛獣」と同じ便宜上の名称になってます。まぁ、恐竜の定義である「直立歩行する爬虫類」ってのは生きてますけど。

あと、恐竜温血節も現在一部を除いて否定されてます。特に雷竜は代謝を考えると、温血だと不利ですから。今注目を浴びているのは慣性恒温性。「コップの水はすぐ冷めるけど、バケツの水は冷めにくい」といった形で、ある程度の大きさを持つ動物なら冷血動物だとしても、冷めるまでに日光浴や食事・運動等により、体温を保持出来たとする考えです。

小型の獣脚目は正真正銘恒温動物だった可能性が高いです。保温のための羽毛を持った小型獣脚類が続々と発見されていますし。

あと、始祖鳥は完全に鳥の祖先からはずれました。現在の鳥の起源説はひと月単位でガラガラ変わっており、とてもじゃないけど、ここで説明できるだけのスペースありません(笑)。

>ラテン語の発音は基本はローマ字読みと考えて問題ない。

恐竜関連の命名は口語化したギリシャ語が伝統的に用いられて(勿論例外あり)いて、「サウルス」が正解。
「ザウルス」は「土左衛門(どさえもん)」が読みにくいためなまって「どざえもん」になったのと同じ。

以上。 あ〜疲れた!