証拠(ソース)に基づく猛獣に関する議論 2

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27名無虫さん
:バイコフ :04/01/17 22:56 ID:???

実吉「トラvsライオン」より

「こういう部分がところどころにあるので、日本の批評家の1人は、バイコフのトラ小説には、動物学的にまちがっているところがあると指摘するのである。」

みなさん、私は動物学者ではなく、動物文学者だからね。
多少、ウソがあったっていいじゃないかい。
トラがヒグマより強いとかさ。え?もうウソだってばれてる?

836 :バイコフ :04/01/17 23:13 ID:???
それでは私の代表作である「偉大なる王」を少し紹介しよう。
2chで紹介すれば、ちょっとは有名なるかな、エヘ!
何か変な人が、間違って引用しているから、私自らが正確に書きましょう。

題して「トラvsクマ どっちが強い??」

「クマを襲うことは冒険であり、非常に危険をともなうことも十分わきまえていた。」
「全ての動物にとって恐怖のまとであるトラに出会うとクマは後ろ足で立ち、高い位置から相手を見下ろす姿勢をよくとる。トラはこの姿勢をみて人間を連想し、森の隣人である不器用なクマに尊敬の気持ちすら持つらしい。
このほか、馬鹿力を発揮するクマの大きさと重量感もトラを威圧する。」

やはり、トラといえどもクマは怖いんですね〜。
28名無虫さん:04/02/27 23:02 ID:???
「森のドンファンの求愛の歌を聞きながらトラは繊細な牝グマの鳴き声をまねする。これを聞いて牡グマは興奮し、まぼろしの愛人の悩ましげな、魅惑的な声の方へ全速力でかけつけた。」
おやおや、偉大なる王(トラ)は発情期の牝グマの鳴き声をまねできるんですよ。すごいですね〜。

837 :バイコフ :04/01/17 23:23 ID:???

「偉大なる王のペテンに引っ掛かり、自分が窮地におちいったと考えたクマは、この場を脱出できる

 最後の手段を選んだ。『三十六経逃ぐるにしかず』である。
とっさにクマは後ろ向きになり、短いジャンプを数回したかと思うと、あっという間にネコのような軽さで、いちばん近いボダイジュの老木によじ登った。」
「王が後ろ足で立ち上がり、前足でボダイジュの幹を爪で引っ掻き始めたので、クマはもっと高いところによじ登り 枯れ枝を折って百獣の王めがけて投げつけた。
「ボダイジュの太い枝の上でなんだか妙なダンスをはじめ偉大なる王めがけてつばを吐き、聞くにたえない悪口を浴びせかけた。」

どうやらクマの得意技は悪口と唾か。あと、ダンスもうまいよ〜
29名無虫さん:04/02/27 23:02 ID:???
:バイコフ :04/01/17 23:30 ID:???

「カササギが、哀れなクマが隠れているボダイジュの枝から枝へ飛び跳ねながら、『ねえねえ、みんな!』と絶え間なく鳴き続ける。『クマが引っかかったのは自業自得だ!・・・・』」

「カササギの鳴き声を聞きつけて飛んできた一羽のコジュウカラが叫んだ。『ひとのよい黒クマをあざ笑うなんてはずかしくないのか!」
黒クマをあざ笑うなんて・・・
黒クマを・・、黒クマ?
あれ?儂、ヒグマのことを書いたんじゃなかったかの〜
でも木に登っているし、ヒグマじゃなかったかの〜
なんせ、大分昔のことだから忘れてしまったわい。

でも「黒クマ」と書いてあるんだから

これは「ツ キ ノ ワ グ マ」だな。

854 :バイコフ :04/01/17 23:41 ID:???

「王の鋼のような筋肉が思いっきり伸び、全体重をかけてクマの背中に岩場の上から襲いかかった。」
得意の不意打ちじゃな。しかも岩場の上からとはの。

「王もひどく疲れたが、それでも自分のあごを緩めなかった。
クマの心臓の動きがとまり、脈拍が停止したとき、やっと自分の口をゆっくりと緩めた。
30分も食いついていたので、そしゃく用の筋肉がしびれけいれんをおこした。

このため、口を数回開いたり閉じたりして筋肉をのばした。
ようやく、もとの状態にかえった王は、クマの鋭い爪で負った傷を舌でなめまわした。」

いや〜、やっぱり「ツキノワ」グマは強いな〜
不意打ちしてのどに食いついたのに、30分もかかるとは・・。やれやれ、おまけにけがまでしちゃうし、シクシク
儂が王の気持ちを代弁するとこんな感じかの〜
30名無虫さん:04/02/27 23:03 ID:???

872 :バイコフ :04/01/17 23:54 ID:???

「山と森の皇帝と黒い不器用者が取っ組み合いをしたらしい。
どうして王はそんなことをしたのだろうね?
食べ物はたっぷりあるのに・・・。
イノシシやカモシカ、アカシカでは不満なのかね!
自分の生命を落とすかもしれない冒険をすすんでやるなんて!
おれには分からない。いったいどうしてこんなことを・・・。
王はなにをやりたいんだろうね?」
若いキツツキが親類の赤頭の方を向いて聞いた。

「やがて偉大なる王は黒い不器用者のかさばった身体の料理にかかった。
まず、やわらかいところを選びながら皮をはぎ、ピチャピチャと大きな音をたてながら、脂肪の多い肉を食べ始めた。 
老いたクマのどっしりとして頑丈な骨が、野獣の強大なあごの中で乾パンのように音をたてて割れ、細かに砕かれた。」
一丁あがりだな。

しかし、今、気がついたがこのクマは老体だったんだな。
書いた儂自身も忘れていた。
偉大なる王が不意打ちしたにもかかわらず、王にきずを負わせ、30分も抵抗したのが「老いた」ツキノワだったとは。
クマ恐るべし。
儂はヒグマとトラの強さに関しては何もいわんよ。
みんなで判断しておくれ。


883 :名無虫さん :04/01/18 00:00 ID:???

「偉大なる王」中公文庫 1989年初版 ニコライ・A・バイコフ 今村 龍夫訳より

尚、ロシア語で「黒クマ」はツキノワグマを指す。