★★★★★最強動物ランキングpart23★★★★★
http://members.tripod.co.jp/big_game/combat/combat7.html >もう一つ、ジャーナリストのペリーがアッサムで起こったトラとゾウの戦いを紹介している。
>1頭のトラが子供を狙ってゾウの群に近づいたとき、大きな牙を持った雄のゾウがそれに気づき、トラを攻撃した。
>トラはひるまずに反撃し、ゾウの背に飛乗ったという。この戦いも一晩中続き、翌朝ゾウの死体が発見されたのだった。
>ゾウの牙は野生動物がもつ最大の武器である。インドゾウの雄の牙はしばしば2m以上になる。しかし雌は牙を持っていない。これは大きなハンディとなる。
>ゾウの群は近くにトラがいることに気づくと体を硬くし、警戒して混乱をきたすこともあるという。
>一方、アフリカゾウは雌でも牙を持っている。近くにライオンがいれば警戒はするが恐れるということはないらしい。
>アフリカゾウはインドゾウよりも大きく、動きはむしろもっと活発である。戦力的にかなり上回っているといえる。
>だからライオンとアフリカゾウの関係は、インドゾウとトラのようにはいかない。
やはりトラはインドゾウすら恐れ屠る最強者の様だ。
小原秀雄「猛獣物語」より
トラ対インドゾウ
雌のインドゾウは牙が無く、肩まで2.5mとやや小さい。
アフリカゾウの雌は牙があり肩の高さ3mほどだ。
確かにインドゾウの雌がトラと闘うと、分が悪そうである。
トラが単独の雌ゾウを殺して食べるのも、確かだと思われる。
肩高2m余り、牙の無い体重3〜4tの雌ゾウでは
ライオンがクロサイやカバを殺せる様に、手強いが、絶対殺す事の出来ない相手では無いだろう。
インドゾウはトラより強いと言えないまでも、普通の食物では無い様だ。
ライオン対アフリカゾウ
強さでは双璧
こうした事実のほか、幾つかの出来事はあるがゾウとライオンで一対一でどちらが強いかを決めるのは難しい。
ライオンは獲物を殺して食べる力で横綱格になったものだ。
アフリカゾウは、植物を食べて身を守る方では第一位の力持ちなのである。
自然の女神は、この両方に力比べの取り組みはさせていないのである。
象の物語P34より
・象が長生きできるのは仲間に護られているおかげである
象は昔から「天下無敵」の動物で、人間以外に敵はないといわれてきた。
もちろんこれをそのまま信じてはならない。25〜45歳の成熟した元気な雄でさえ、
他の動物に殺される場合があるのだ。ときにはヴェトナムのキングコブラのような
毒ヘビに鼻を噛まれることもある。ただでさえ気の短いサイや水牛は、古代ローマ
時代に円形競技場で行われたような出し物に引っ張り出されれば、猛り狂って
象を殺す事もある。象を襲ったり、自衛のために致命傷を負わせたりする動物は
他にもいる。例えばスーダンのバール・エル=ガザル河では、ゾウの鼻を食いちぎり、
出血多量の死に追いやったワニが目撃されている。成熟したゾウも単独の時は
襲われる危険がある事を忘れてはならない。その他ライオンやトラも、古代ローマ
時代の見世物やインドのトラ狩りのように、戦わざるを得ない場面に追い込まれれば、
捨て身で戦ってゾウを殺してしまう事もある。またリカオンの群れがはぐれた
ゾウを襲う事もある。そのせいかどうか、威圧感溢れる大きな雄象でさえ、
群れから遠く離れることは滅多にない。とにかく群れの近くにいさえすれば、
危ない時は必ず救援隊がやって来て、どんなにうるさい敵も追い払ってくれる
からである。
・象が長生きできるのは仲間に護られているおかげである(続きP36から)
だれもが襲うのをためらうほど威風堂々たる体格に成長した雄象であっても、
子供の時はあわやという時に母象から救ってもらったり、トラにつかまった
所を仲間に助けられたりもした。子象達は12年以上群れにとどまるのである。
イギリスのウィリアムズ大佐が1950年に出版した本によると、ミャンマーでは
実に25パーセントの子象がトラの餌食になったという。アフリカのライオンも
また、密猟者に母親を殺された子象を狙うことがある。子供のころ危うく
命拾いしたものの、長い子供時代を通じて捕食者を恐れてきた象は、大人に
なっても、ある種の憎しみを保ち続ける。このため彼らは、最小単位の群れ
を成している時はもちろん、幾つかの群れが集まっている場合はなおさら
ライオンやトラを黙って見過ごすことが出来ない。これらの動物を見かけると
年長の♀たちはすぐさま攻撃を仕掛け、数頭の♂もこれに加わる。大抵の場合、
ライオンやトラは餌場や水場を譲って退散する。要するに象の恐るべき力は、
♀中心の家族とそれを取り巻く♂が形成する、結束した群れの強さにあるといえる。
岩波書店「野生を生きる」より
エトーシャは、アフリカの野外でゾウとサイを一度に見られる数少ない場所である。
ゾウの繁殖群とサイは臆病なので、日中泉を訪れる事はめったにないが、
どちらも毎日水を飲まねばならないので、日が暮れてから水場にやってくることが多い。
ある日のこと。先ほどまで泉で水を飲んでいたキリンとシマウマとヌーが突然いなくなっていることに気がついた。
入り口に立って双眼鏡で前方をさぐり、それから真下にちらりと目をやると、動物たちがいなくなった理由がわかった。
二頭の大きな雄ライオンがいる。
彼らは泉に行き、かがんで水を飲んだが、その息づかいが聞こえるほど近かった。
彼らはこれまで見てきたどのライオンにも勝るとも劣らぬ大きさがあった。
彼らが水を飲む音を聞いてるうちに、私は、いま森の中に隠れている動物たちと同様に、彼らが現れたために自分の行動が変わった事に気がついた。
ただひたすら、ライオンたちが私の怖れを嗅ぎつけないようにと祈るばかりだった。
一頭は飲み終わると水辺に寝そべり、もう一頭はブラインドのほうに歩いてきた。
彼は立ち止まると、地面をひっかいて印づけをした。
それから、土ぼこりをあげてどさっとすわり、私を見上げて吼え声をあげた。
次にもう一頭が吼え、それから代わる代わる、しだいにボリュームを上げ、ブラインドを震わせるほどの大声で吼え続けた
私はといえば、ひたすらじっとうずくまっていた。
日が暮れると、ライオンたちは水場の反対側に移り、仰向けにころがって足を宙に上げ、眠り込んだ。
やがて空が黒ずみ、月が昇り、平原に散らばる白い石が月光に照らし出されて、地面に降った星のように見えた。
そのとき、森の南端沿いからサイの親子がやってきた。
ライオンたちが眠り続けてるあいだ、三頭のサイたちは明るい月の下で身をかがめ、水面の影に鼻先を触れながら水を飲んだ。
彼らは飲み終わると、やって来た時と同じように、静かに立ち去り、やがて木立の中から消えた。