スマブラX 対戦が終わったら感想を書き込むスレ43
今日は非常に不思議な体験をした。
それは何の変わりもない、一見してごく普通の"おきらく乱闘"だった。
俺はスネークでその部屋にエントリーした。もちろんネタや馴れ合いに巻き込まれ、リンチにすら発展するだろうという不安も抱えていた。
試合が開始されると、まず俺はその場で部屋の様子を伺う。
開幕直後、その部屋に居た俺とは別のもう一人のスネークが、俺に攻撃を仕掛けてきた。
俺は攻撃をかわした。するとその光景を見た他のプレイヤー達も、待っていたと言わんばかりに動き始める。
ネタでもなくリンチでもなく、いわゆる何の変哲も無い"乱闘"が開始された。
だがこの時既に奇怪な空間の飲み込まれていることなど、俺が勘付くはずも無かった。
俺はまず、スネークと対峙した。そのスネークは、若干動きに不慣れな様子が見られた。
俺がその場を離れ他のプレイヤーに攻撃するも、そのスネークは熱心に俺を追う。
どうやらよほどミラー対決がしたいらしいと、そう感じた。
しかし"擬似タイマン"の苦手な俺は、あえてそれに反発するかのように攻撃やポジションを分散した。
そのまま試合が終わり、次の試合がはじまる。そこではスネークは俺一人だけだった。
不思議なフィーリングから開放されたらしい、そう思ったが、同じプレイヤーがどうやらまた俺に狙いを定めていた。
一方的な擬似タイマン状態がまだ少し残留しているらしいと、俺はその程度にしか感じなかった。
俺が本当の奇怪な空気に気付くのは数試合先のことである。
乱闘を重ねる後、すっかり俺の中で擬似タイマンの意識も消えていた。
両サイドからの猛攻、ダメージが蓄積し、強烈なスマッシュヒットを食らった俺は、勢いよく画面の淵に叩き込まれる。
その時である。わずか一瞬ではあるが、俺を追い回していたあのプレイヤーが、攻撃を止め待機状態に着こうとするのを俺ははっきりと見た。
その瞬間、得体の知れない恐怖が押し寄せた。これはただのタイマン状態では無い。意図的で悪意に満ちた粘着行為だ。
そう確信した俺は次の試合、開幕と同時に、今一度部屋の様子を伺った。
俺の予感は当たった。そのプレイヤーは、他のプレイヤーなど眼中にも無い様子で、開幕と同時に真っ先に俺にダッシュで接近し、攻撃を叩き込む。
理由も分からぬままただ粘着に怯え、一瞬にして集中力を奪われた俺は、数試合惨敗を続けた。
しかし、その恐怖も、たちまち反抗心へと変わって行った。なぜ俺はこんなちっぽけな粘着行為に怯えているのかと。
気を立て直し、次の試合"擬似タイマン"を意識し挑んだ。あれほど嫌っていたはずの擬似タイマンに、不思議と俺は積極的になった。
すると、思いの外その壁は簡単に崩れた。いや、そもそも手応えすら感じていなかった相手だ。当然と言っても過言ではない。
正気を取り戻した俺は勝利を重ね、乱闘としても好成績を収めた。
ところが、擬似タイマンを重ねるうち、俺の心情が更なる変貌を遂げる。
「こいつ、糞弱くね?」
俺の中で妙な優越感と同時に、徐々に挑発的な感情が生まれた。
"一人狙い"に拍車のかかった俺は、ついに撃墜アピールを解禁してしまう。
普段の俺なら撃墜アピールは行わない。そもそも、挑発的な感情で試合に臨むことすらまず無かった。
だがその時の俺は、恐怖から解き放たれた反動のせいか、行き過ぎた挑発行為に何の抵抗も覚えなかった。
次の試合、俺は自分から先制攻撃を仕掛けた。どんな攻撃もサンドバッグのようにヒットしてくれる。
一機撃墜すればアピールで挑発。俺が挑発をする度に相手の動きが鈍くなって行くのがはっきりとわかった。相手も相手でまた別の恐怖を抱えていたのだろう。
やけくそに、崖際で待機している俺に一直線にダッシュで突っ込んでは弾きかえされと、馬鹿な奴だった。
もう既に俺の中からは"乱闘"という意識が消えていた。
他のプレイヤーなど眼中に置かず、ただ目標を撃墜してはその場でアピールを繰り返し、むしろ俺が粘着厨と化していた。
仕舞いには自滅により余裕を見せ付けたりと、もはや完全に挑発目的で試合を続けていた。
もちろんスコアは最悪である。けれどそんなことはどうでも良かった。
そんな腐った試合を、俺は何試合も繰り返した。そいつが居なくなるまで、俺は粘着し続けた。
やがて、挑発屋と化した俺に呆れたのか、ただ単に時間の都合か、乱闘をしていた一人が抜ける。
それと同時に俺に粘着されていたあいつも抜けた。逆粘着というなんとも惨めな姿に、よほど抜ける機会を探っていたのかもしれない。
長文スマン
まさかこんな子供じみたことをしてしまうとは思わなかった