「世界中の教科書にみる日本」を書いてみませう!

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186世界@名無史さん
続き〜(教科書:イギリス)
5 新しく生まれた二つの強国  アメリカ合衆国と日本 より

 確かに事態は驚くべきスピードで進んでいった。この予期せぬ戦争の結果、アメリカは
太平洋の3,141の島を獲得し、700万人もの原住民を支配下に入れた。ほんの6ヶ月前には、
アメリカ人はフィリピンがいったい島なのか、缶詰の果物なのかさえ知らなかった。

それがいまや、彼らは帝国を有することになったのである。そして一度帝国主義の道を走
りはじめると、それを停止することは難しかった。自体は連鎖反応を開始したのである。
アメリカは大西洋と太平洋の二つの大洋に必要な海軍を必要とするようになった。この二
つの大洋のどちらかを強化しようと思えば、ホーン岬を回って危険な航海をする必要があ
ったため、アメリカはパナマ地峡を横切るパナマ運河の可能性に関心をよせた。
1901年にパナマ人が、自分たちを支配していた国であるコロンビアに反旗をひるがえした
とき、アメリカはパナマ人を援助した。

コロンビアの支配から解放されると、新しいパナマ政府は、大西洋岸と太平洋岸とをつな
ぐ土地を貸与することによって、アメリカの援助に報いることにした。それからいくらも
たたないうちに、アメリカ軍が一帯を固める中でアメリカ人技師がこの土地に運河を掘っ
た。
このような事態の展開を快く思わない人々もいた。南アメリカの人々は強大な隣人によっ
て弱いものいじめをされたようにも感じたし、世界の問題からアメリカを孤立させておく
ことを望んでいたアメリカ人も、懸念を覚えたのである。アメリカが、世界中に責任を持
つ強国になりつつあることに気づいていた人々の数は、わずかであった。