「世界中の教科書にみる日本」を書いてみませう!

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161より

続き(ファシスト侵略の開始)

ファシストの侵略に対する西洋諸勢力の姿勢をある歴史家は次のように要約している。
「ナチスがポルシェヴィズムを破砕し、ソヴィエト連邦を制圧するべく努めていると
世界に納得させるため最善をつくしたことは疑いの余地がない。
もしウラル山脈が手に入るなら、すべてのドイツ人は十分に泳ぎを満喫することだろう
というようなヒトラーの演説は、この種の宣言の顕著な一例である。

また西側世界のエリート層の間にも、彼に信頼を寄せることへの嫌悪感がなかった。
多くの中間階層の人々とともに、大土地所有者・貴族・産業資本家・銀行家・教会の高僧・
高級軍人など、西ヨーロッパのあらゆる種類の有力者層は、彼ら自身の労働力や農民たちが
社会革命、おそらく共産主義によって指導され組織された革命を要求するかもしれないという恐れを放棄していなかった。

暴力団まがいのものであったにもかかわらず、共産主義を打破し、どうじに既得権益は
十分に官制下に残しておいてくれるひとつの勢力としてのファシズムに対して
彼らの示した支持は本能的かつ正直なものであった。

イギリスやフランスの多くの有力な人びとが、枢軸勢力によるソヴィエト連邦攻撃を望みつつ、
これら勢力を強化、確立せしめるべく行動したことはほとんど疑いのないところである。」

宥和政策はファシスト勢力を強化し、第二次世界大戦を導きだした。


The story of civilization volumeU(インドの中学生の歴史教科書)より
文献:全訳 世界の歴史教科書シリーズ インド(帝国書院)