319 :
世界@名無史さん:
「ディアドコイ」
日本の国技、相撲のルーツがモンゴル相撲であることは
言うまでもない。モンゴル相撲史上で角聖と称えられた者は
二人おり、一人は後に地獄相撲力士に転身しここでも最強の
名を欲しい侭にしたドスコイカーンであるが、今一人は
ドスコイカーンのライヴァルだった横綱、ドッコイカーン
である。両者はモンゴル相撲において生涯50度戦い、
どちらも25勝25敗であった。ドスコイカーンが地獄相撲に
参加するため旅立つ前の晩、二人は余人を交えず最後の
勝負を行った。激闘すること6時間、ついに勝負はつかぬまま
夜明けを迎え、二人の対決はやはり雌雄を決することなく
終わったのである。
別れ際、二人は固く抱擁し友情とこれからの互いの活躍を
祈りあった。土俵を降りるドスコイカーンは宿敵にして
親友に「マイディア、ドッコイ」と一声かけて走り去ったという。
このセリフはたちまち全モンゴル中に膾炙し、すぐに「ディア
ドコイ」と縮めて言われるようになった。無論生涯変わらない
友情と敬意を込めた言葉として。
ちなみに、現在の日本で互いに優劣つかないもの言う「どっこい
どっこい」という言葉は、本来「どすこいどっこい」だったと
言われている。
民明書房『相撲人生はっけよい』より
お題は「審査律」