三国志正史スレッドリターンズ

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227李密
ダメだ、こういう古代中世の軍事関係の話題になると参加したくなる……(死)

>222

攻城戦の技術では「墨家」の存在からもわかるとおり
古代中国に分があります。
水攻めや坑道戦の発想すら持っていた中国のオタッキーな攻城戦術は
ローマに勝るものでしょう。

歩兵の会戦ならローマのものですが、古代中国の軍が会戦に応じるかでしょう。
中国では伏兵などが常套手段のように使われていますから。
また、ローマ軍にはいわゆる弓兵に属する部隊がいないのも泣き所でしょう。
軽歩兵による散発な射撃はありますが、中国のような一斉射撃の概念がありません。

それと、魏の騎馬軍団はあれはれっきとした鮮卑の騎兵ですよ。
曹操は胡や鮮卑を国内に移住させるなどして、
異民族傭兵を戦闘に使用していました。(前漢の武帝も烏桓騎兵を使っていました)
また、公孫サンが1万もの弓騎兵を抱えている事からもわかるとおり、
弓騎兵というものが発達しています。
タキトゥスの「ゲルマニア」にはゲルマン系の民族は手槍などしか使わないという事が書いてあります。
つまり、騎兵だけなら西ローマを崩壊させたゲルマン諸族より強力と言うことです。
東ローマの歩騎混合軍ならいざ知らず、歩兵中心の軍では大量の弓騎兵を抱えた中国軍には勝てないでしょう。

>223

ローマ時代には盛んに兵書が書かれました。
日本でも和訳本が出ているものの中にポリュアイノスの「戦術書(国文社)」がありますし、
フロンティヌスという人物も「戦術論」なる本を書いていたそうです。
紀元前4世紀頃のアエネアス・タクティクスという人物は(後ろのはあだ名でしょうか? マグヌスとかマクシムスというような)
「タクティカ(戦術・用兵の意)」や「ポリオルティカ(攻囲論)」など数冊の軍事書を書いたそうです。
ポリュアイノスの「戦術書」に関しては戦例の引用集であり、
中国の兵書のように理論体系としては整備されていません。
ただ、この訳本の解説によると、フロンティヌスの本はきちんとした理論体系に基づいているそうです。

また、ハンニバルやアレキサンダーやスキピオは
クセノフォンの「アナバシス」を何回も読んだそうで、
おそらくトゥキュディデスのような戦史書も読まれたのではないでしょうか。
全体としては軍制も整い、また陣営の建設法まで整備されていたローマの軍事科学は
古代中国に劣らないものでしょう。