中世ヨーロッパ人の暮らし

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398世界@名無史さん
中世ヨーロッパが遅れた地域であったことは疑いないのですが、その中で
イングランドだけは例外的に富裕で発展していたという主張があります。
(アラン・マクファーレン「イギリス個人主義の起源」)
これは相対的に豊かであった低地諸邦と比しても目を見張る状態であったらしく、
同時代の仏・伊・蘭などの旅行者が15世紀頃書いたイギリス旅行記には

住人は二階建てのガラスの家(ガラス窓があること)に住み、農民さえも小奇麗な
衣装に身を包んで外出し、どんな安宿にも銀の食器を備えてある。
また言論の自由も法的権利も、大陸とは異なり完全に自由である。

などと異口同音に書かれています。
この豊かさと自由は、コモン・ロー、貿易、ゲルマンの個人制度、個人主義的
市場社会、高い地域・社会的流動性、貨幣経済、羊毛、などにより構成されており、
早ければ12世紀後半から連続していた可能性があるらしいです。
そうなると中世におけるフランスとイギリスは、当時最も格差のある
隣国同士であったことになるのでしょうか。

にわかには信じがたい話ですが、本当だとすれば700年も先進国をやっている
計算になるのだから驚きです。