数ヶ月前、夫にこんな話をしましたが、信じてもらえませんでした。話というのは
、18世紀末のフランスのやや奇妙なヘア・ファッションの事。
その頃上流階級の女性は髪を1メートル近い高さまで結い上げていたのでした。
入念に結われ得た髪は、リボンや鳥、有名な英雄達を描いた絵画などで飾られ
ていました。フランスの海戦勝利を祝って船の模型をあしらったものもあったとか。
結い上げるのも大変だし、解くのも一苦労。そこで、女性達は何週間も同じ髪型
で通したのでした。(勿論、その間、飾りははずしたでしょうが)クモやねずみまで
もが、髪の中に巣を作ったものでした。
「おいおい、騙されないぞ。そんな事あるわけないだろう」と夫は言いました。
トコロが、西ヨーロッパや米国では、極めてありうる話なのです。私の先祖が
どれほど汚かったか、またその理由は何だったのか。周りの知り合いに尋ねて
みても大抵の人は知りませんでした。そこで、自分で調べてみる事にしました。
なぜ欧米人は19世紀になるまで定期的にお風呂に入らなかったのか、日本人は
2000年近くの間、ずっとお風呂を崇拝続けてきたというのに?
私と夫の祖先の違いが生じた一因に自然環境が挙げられます。湿気の多い日本の夏
を過ごすには、定期的に体を洗わなければなりません。さいわい、場所には事欠き
ません。多くの川のほとりとか、澄んで冷たい涌き水に加えて、日本は温泉で
あふれかえっています。最新の統計(1996年度)によると、環境庁に登録された
温泉の数は、25,455箇所もあります。
しかし、1番の理由は宗教の影響だと言われています。Peter Grilli著
Pleasesure of the Japanese Bath によると、日本の伝説には、神々が国生みの
最中、そしてそれを成し遂げた後に、水浴びするという故事があります。また、多く
の神は、男神イザナギ(キリスト教の神とアダムを合わせたような神様)が水浴びする
際に脱ぎ捨てた衣服の中から生まれています。神道はシャーマニズム的宗教ですから
自然の営みをなによりも重んじます。動物が温泉で傷を癒す場面に遭遇する木こり
や猟師の話なども各地に残っています。キリスト教ならそんな話を「下等な獣の行為」
と片付けてしまうでしょう。
まだまだ、続きがあるのですが、あまり良くなさそうなので止めます。