王国、帝国、共和国の違いって

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131あやめ
>124
レスありがとうございます。
たしかに律令制でも大臣は太政大臣・内大臣・左右大臣くらいしかありま
せんから、明治期の官制では清朝の「大臣」を意識していなかったはず
はないと考えています。
面白いのは「大臣」という普通名詞は支那の古代から文献に見えるのに、
「某々大臣」というような官制上の固有名詞としては清代に初めて現れ
たことです。清朝の「某々大臣」は恐らく満語のベイレ(金代のボギレ)
に当てる適切な訳語が見つけられなかったためでしょう。まさか日本の
官制にヒントを得たわけではないんじゃ(藁)? これと似た例は「親王」
で普通名詞としては支那でも南北朝ころから有りますが、「某々親王」と
いう固有名詞的用例は清朝以降のもので、この点は「舎人親王」や「草壁
親王」など日本の方が先輩です。なおモンゴルの「ジノン」の語源を親王
とする一般的理解に対して、岡田英弘さんは元代の「晉王」に求めている
のは当たっているように思います。
序でながら明治の新官制で「内閣」という名称は当然ながら明清のそれに
由来するものでしょう。しかし共産党員の歴史小説家の高倉テルという人
は本願寺の「内局」から取ったのだと説明しています。システムのヒント
は或いはそんなとこかもしれませんが、少なくとも名称は清朝の制度から
採用したものと考えるべきでしょう。「内閣」というものは元来は独立し
た政策立案機関ではなく、独裁制皇帝の秘書的性格を本分とするものです。
従って現憲法下では「大臣」と共に些かどんなものかとあやめ的には思っ
ています。