私の祖母ロシア人なんですが

このエントリーをはてなブックマークに追加
255世界@名無史さん
  ロシア革命を逃れて日本へたどり着き、わが国バレエ界の礎となった、白系ロシア・バレリーナ、エリアナ・パブロバ(一八九七−一九四一年)の波乱に満ちた生涯を描いている。評伝ではなく、小説である。構想・取材・執筆あわせて十五年、原稿枚数(四百字詰め)千三百枚の書き下ろしは、読みごたえ十分の力作として結実した。


物語の舞台は一九一七年、ロシア帝国の首都ペトログラードからはじまって、ヘルシンキ、ハルビン、上海、日本へと移りいく。その美貎と、群を抜いたバレエの才能を武器に、母と妹の手を引いて、苛酷な運命にひとり立ち向かうバレリーナ。日本では、霧島エリ子という帰化名を得て、軍靴の響き忍び寄る昭和十六年五月三日、慰問先の南京の陸軍病院で四十四歳の生涯を閉じるまでの、美しくも哀しい流転の軌跡である。